階段の昇りや靴下を履くような股関節を曲げる動作をすると、股関節に痛みが走る。

片足に体重をかけると股関節が痛い。

こんなことありませんか?

あなたのそれの原因、股関節の変形かもしれません。

『変形性股関節症』というのは聞いたことありますでしょうか。

股関節が痛くて整形外科でレントゲン写真を撮られた際に言われたことがある、という方も中にはいるはずです。

股関節の痛みの原因として変形性股関節症がよく挙げられますが、では変形性股関節症の原因はなんなのでしょう。

今回は股関節の痛みの本当の原因についてお話していきます。

変形性股関節症とは?

歩いていて股関節が痛い、体重をかけると股関節が痛む、足をあげるのがつらい、こういった症状がでたとき。中高年の女性で一番疑われるのは変形性股関節症です。

実際に整形外科などでレントゲンを撮られた際に言われた方もいるかもしれません。

変形性股関節症とは、文字通りになりますが、股関節を構成する骨の部分に変形が生じてしまった状態を言います。

変形性股関節症には痛みの段階があります。

  1. 痛む場所は股関節、お尻、太もも、膝周りなどに鈍痛が出る。長時間歩くと痛い。運動後に痛い。痛みが出ても数日で痛みは引く。
  2. 動き出すタイミングで股関節周辺に痛みが出る。立ち上がり、歩きだしが痛い。
  3. 歩くと痛い、動かすと痛い、など運動痛がでる。この時股関節の前後に痛みがでてしばらく休憩しないと歩けなくなる。
  4. 最終的に安静時にも痛みがでて何をしていても痛みが出る。

痛みがきつくなってくると階段や靴下、ズボンを履く動作などができなくなり、それに伴い股関節自体をあまり動かさなくなるため、股関節に拘縮(こうしゅく) が起こり余計に動かせる範囲に制限ができてしまいます。

そのため、しゃがむような深く股関節を曲げたり股関節を開くような動作ができなくなっていきます。

さらに股関節の拘縮が進むと骨盤の歪みや股関節の捻じれの影響で痛む方の足が短くみえるようになります。

 

変形性股関節症のなぜ起こる?

股関節はもともと人の体の構造上、一番多様な動きをする関節です。

股関節の構造は骨盤を形成する寛骨と、太ももの骨である大腿骨との二つの骨でできています。

寛骨にはお椀のようなくぼみがあり、大腿骨は先端が球状になっていて、寛骨のくぼみに大腿骨がはまり込むかたちでなりたっています。

はまり込む、と言っても骨同士がぴったりくっついているわけではありません。

動かす範囲が非常に広いため、関節面の骨同士がこすれないように、また体重のかかりやすい関節であるため、関節同士の間にクッションの役割をするものがあります。

それを関節軟骨といい、本来はこの関節軟骨が股関節へ加わる負荷、衝撃などを分散させる働きを担っいて、それがあるおかげで股関節をスムーズに動かすことができるのです。

変形性股関節症ではこの関節軟骨部分が何らかの原因で擦り減っていくことから痛みを生じます。

関節軟骨が摩耗、変性することで関節破壊の反応によって、骨の増殖(骨化・骨棘(こつきょく))が起こります。

変形の過程に、もともと素因があるかどうかで一次性と二次性にわかれます。

変形につながる原因や、股関節自体の形態異常がなく、老化や肥満そのほか何らかの理由で関節軟骨が徐々に擦り減ってしまったものは一次性変形性股関節症と言われます。

これの他、股関節の形態にもともと異常がある疾患がある人が変形性股関節症になる場合を二次性変形性股関節症と言います。

簡単に言うと、後から体重や増加や老化でなったのか、元々股関節に異常があるかの違いです。

股関節の形態異常は以下のようなものがあります。

・臼蓋形成不全症(きゅうがいけいせいふぜん)…股関節を形成する骨盤側の骨のお椀部分を臼蓋といい、その部分が発育不全の影響でかぶりが浅くなってしまっていることを言います。

.先天性臼蓋形成不全の他、先天性股関節脱臼などがあると臼蓋の発育が悪くなりやすいです。

・先天性股関節脱臼…先ほども述べたように臼蓋形成不全につながることからです。

最近では生まれた時から股関節が脱臼しているわけではなく、発育の過程で股関節を無理に真っ直ぐにさせようとしてしまったり赤ちゃんにとって無理な姿勢を取らせることが原因となるため、 発育性股関節形成不全ともいわれています。

変形性股関節症の発生割合は圧倒的に女性に多く、その理由も臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼になりやすいからだと言われています。

男性と比べると女性の方が筋力も弱く、関節自体が柔らかいからです。

そして骨盤の形が男性よりも横に長いため股関節の位置が中心より外側にあることで、股関節にかかる体重の負荷が多くなってしまうため、とも言われています。

日本人では特に男女差が多く、この二次性変形性股関節症は全体の8割を占めています。

これが変形性股関節症が起こる理由ですが、変形の過程で股関節の痛みが出てくる本当の原因は一体なんなのか。

 

変形性股関節症で股関節が痛む本当の原因

先ほどのように、変形性股関節症になる方は股関節自体にもともと疾患を持っている方が多いことは多いですが、全員が変形性股関節症になるわけではありません。

変形性股関節症は股関節の関節軟骨が擦り減ることで症状として痛みが現れますが、なぜ擦り減ってしまうのか。

いくつかの原因に分けて説明していきます。

体重の増加、加齢に伴う筋力低下

変形性の疾患は体の体重がかかりやすいところに発生します。

筋力で支えていられる時期には痛みや変形は見られませんが、年齢とともに股関節を支える筋肉が弱ると関節自体を支えておくことができなくなります。

これと同時に年々体重が増加していると股関節にかかる負担は大きくなり、支えきれなくなってしまいます。

これは一次性、二次性両方に言えることですが、やはり二次性で発症するかたの方が多いです。

適正体重の基準

体重を見る時に、自分の適性体重をしる必要もあります。

適正体重の測り方を下記に記すので、一度調べて下さいね。測り方をしては3つあります。

身長(m)×身長(m)×22で計算をします。

身長(m)×身長(m)×21で計算をします。

身長(m)×身長(m)×20で計算をします。

3つありましたが、上から

標準、美容、やせ形

の3つに分かれます。

標準は基本的に少しぽっちゃりになります。美容体型を目指して体重を考えるのが一番理想です。

もしあなたがこの基準に当てはまらないのであれば、体重を減らすことを考える必要があります。

 

反り腰や内股などの骨盤の傾き、体の使い方

実は体の使い方によっても変形性になりやすくなるのです。

股関節の関節面には関節軟骨がありますが、関節裂隙という隙間があります。

関節軟骨には血液が通っていません。そのため栄養を供給されたり古くなった細胞を排出したりすることができません。

その代わりに股関節は関節包という袋状の膜に覆われ、その中を関節液で満たし、その関節液が関節軟骨に栄養を供給しいらないものを排出する働きを担っているのです。

大事なのはその隙間があること。

腰を反る体勢になりやすいと、必然的に骨盤は前傾します。

そうなると股関節部分では関節面にも傾きが生じ、その結果関節面の一部分にだけ負荷がかかることになります。

そして負荷集中した一部分は関節の隙間がなくなっていき、関節面同士がこすれていくこととなりそのままの体の使い方で過ごしていくと関節軟骨が徐々に摩耗し、変形につながります。

内股の人も同様で、股関節が内向きになることを内旋と言いますが、股関節を内旋した状態で背骨を起こそうと思うと骨盤が前傾し、腰が反ったような状態になります。

こういった理由から内股の人も変形性股関節症になりやすいといえます。

二次性変形性股関節症のように臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼の人は特に反り腰や内股になりやすく、本人も気が付かないまま年を重ねていってしまい、 変形性股関節症になるリスクを放置していることも少なくありません。

もともとの骨の形を変えることはできませんが、姿勢や体の使い方を変えることは治療をすることで可能です。

 

股関節の痛みをやわらげる方法

 

体重を減らす

一番効果的で進行を抑えることができます。

「股関節が痛いから運動はできない」という方もいますが、運動はあえてしなくても食事の内容を見直すだけで体重を減らすことは可能です。

その点については当院でも行っている糖質ダイエットをおすすめしたいと思います。

筋力は落としたくないのでたんぱく質はしっかり摂取し、余分な炭水化物や糖質をできる限り食習慣の中から排除しましょう。

簡単そうに言いますがダイエットが一番苦しい、という方も多いかもしれません…。

ですが正直に言いますと、今よりも悪化させないためには必須の項目になります。

緩やかでも着実に体重を落とせるよう少しずつ取り組みましょう。

 

股関節の筋力を落とさない

腰を反る、内股などの癖があると変形性股関節症になりやすい、ということは述べました。

そのためその癖を緩和させる運動やストレッチで体の使う部分の偏りを分散できるようにしていきます。

≪股関節の動きをつける運動≫

床に軽く胡坐をかいて座ります。

片方ずつ、もしくは両足を可能な範囲でゆっくり開いていきます。

開いた状態のまま親指を床に近づけるように、足を親指側に倒して内側の動きをつけていきます。

倒しっぱなしではなく、5〜10回ほど繰り返し、無理のないところまでで行いましょう。

内側が終わったら反対に小指を床に近づけるよう、足を外側に倒すように動かして、これも5〜10回に分けて繰り返します。

片足ずつ行うなら、反対側も同様に行なっていきます。

これを1日3回おこなう。

≪反り腰のストレッチ≫

仰向けで両膝を立てた状態で寝ます。

お腹に両手をあてて、腰を床にくっつけるようなイメージでおなかに力をいれます。

このとき呼吸も併せて行いましょう。

緩めている時に息を吸い、腰を落としている時に3〜5秒かけて息を吐き出すようにします。

これを5〜10回繰り返します。

必ず呼吸は止めないように行いましょう。

 

変形が進んでいない初期であればこのように運動したりストレッチを行うことで痛みを和らげることは十分可能です。

変形が進んでいても痛みがない範囲で動かしましょう。

ほかにも股関節に負担をかけない運動として、プールなど水中で歩くような運動も変形性股関節症の人向けの運動と言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

関節の隙間が少なくなってしまうと重心や体の使い方が変わってしまいます。

一度変形してしまった関節軟骨や狭くなった隙間を元の状態まで戻すことはできません。

ですがその状態で一番負担をかけない状態を探していくことで、今ある痛み自体を軽減させることは可能です。

そして今以上に変形したり、痛みが強くなるということを避けることも可能です。

一番避けてほしいのは、痛みがあるのにそのまま放っておくことです。

特に変形性のものは今までの体の使い方の積み重ねです。徐々に負担を重ねていった結果として起こるものです。

今まで通りの体を今まで通りの使い方をしたまま放っておいて痛みが減るわけがありませんよね。

痛みを減らすためにはもちろんですが、変形を進行させない、悪化させないという点でも治療されることをおすすめします。

ひこばえ整骨院骨盤の変形性股関節症の施術手順

ひこばえ整骨院で変形性股関節症の改善をする事ができます。

股関節だけをみるだけでなく、姿勢、体のバランスを見て全身をくまなく施術をしていきます。

もし股関節の痛みでこまっているなら下記をご覧下さい。

パソコンからの予約はこちら 電話: 0798-63-3200

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