足を動かし始めたときや運動をした後、よく歩いた後などに膝の内側に痛みが出る、ということはありませんか?

あなたのそれは「鵞足炎(がそくえん)」かもしれません。

鵞足炎とは、膝下の脛の骨、内側部分を鵞足と呼び、その部分に炎症が起こることをいいます。

なぜそんなところに炎症が起こるのか。

それは鵞足と呼ばれることにも関わります。

膝下の内側部分は、股関節をまたいで膝の関節にもかかわる3つの筋肉の付着部になります。

縫工筋、半腱様筋、薄筋の3つの筋肉が股関節と膝関節をまたいで付着する部分がガチョウの足に似ていたことから「鵞足」と呼ばれています。

つまり、鵞足炎は縫工筋、半腱様筋、薄筋の付着部の炎症、ということになります。

ジャンプ動作や踏込、走りながら急に向きを変える動きなどが多いスポーツをやっている人に出やすいですが、他にも鵞足炎になる要素は多く潜んでいます。

そんな鵞足炎に対応する方法をこれからここではご紹介します。

もし今あなたが膝の内側が痛かったり、自分なりにストレッチや体操をしているけれども効果がないと言う場合はこれからご説明する方法を取り入れてみて下さい。

鵞足炎の原因は?

使いすぎ

一番わかりやすい原因は使いすぎです。

特に先ほど挙げたような動作が多いスポーツをしている人は鵞足炎になりやすいです。

もうひとつの特徴としては、急に練習量を増やした、運動を始めた、というように急に足を酷使しすぎた場合、鵞足炎を引き起こしやすいです。

ただし、運動しはじめの人やスポーツをしている人たち全員が鵞足炎になるかと言われたらそういうわけではありません。

鵞足炎になる人の特徴には以下のような要素も非常に大きくかかわってくるからです。

 

足と膝の捻じれ

足首と膝の関節の捻じれによっても、鵞足炎になりやすい、なりにくい、が分かれます。

多くの場合、X脚や内股の癖が強い方に多くみられます。

これは股関節、膝、足首の関節にねじれが発生するからです。

X脚の場合、股関節は内側に捻じれ、それに反して膝や足首は外側に捻じれるようなり、バランスをとっています。

こうなると膝の筋肉と鵞足部分の骨とが常に引っ張られるかたちとなり、痛みが発生します。

足を崩した姿勢、横座りになる人や椅子に座っているときに膝を内側に倒している方はこのいずれかの捻じれが発生しやすく、癖づいています。

 

使い方が悪い

先ほど述べたように、X脚の人は鵞足炎になりやすいのですが、X脚の人が全員鵞足炎になるわけでもなく、X脚以外の方でも鵞足炎になることがあります。

それは何が違うかというと、体の使い方です。

たとえば椅子、地面から立ち上がる時に股関節と足首よりも膝が内側に入り込んでいたり、膝と足首よりも股関節が外側に出ていたりすることになると鵞足部につく筋肉に過度なテンションがかかることになり、鵞足炎を引き起こしやすくなります。

これはスポーツをしている時の体の使い方にもかかわってきます。

ジャンプの踏込や踏ん張りの動作で膝が内側に入るような使い方をしていると鵞足炎になります。

もちろん歩く、走る、跳ぶなどの動きでも基本的に膝が内側に入った状態になっている可能性は高いです。

そのためスポーツをやっていないような人でも体の使い方次第では鵞足炎になり得る可能性が高くなるということです。

内股になりやすいことや、筋力の弱さでいうと女性にみられやすい点もあります。

 

このように、単なる使いすぎが原因で起こっているわけではないのが鵞足炎です。

そのため鵞足炎を治療する場合、足の捻じれと体の使い方を改善する為の治療を行う必要があるのです。

一般的な鵞足炎の治療方法

鵞足炎の一般的な治療として

アイシング

マッサージ、ストレッチ

注射、薬などの痛み止め

一般的な治療方法は一時的に膝を休まして回復させるという意味では決して間違ってはいません。

しかし鵞足炎を解消しようと思うと、鵞足炎自体をなおすのではなく鵞足炎になった原因を取り除かなければ改善を見込めることはできません。

上記でご説明した1から3番の対処方法はあくまでも対処方法として考えていただいて、治すという意味では考えをわけていきましょう。

 

 

当院が考える鵞足炎の治療方法

以上のことから当院での鵞足炎治療は、根本的に改善させることを目標とするため、 捻れや体の使い方から治療を行ないます。

鵞足の部分を柔らかくしたり筋肉をほぐすことで一時的に改善させるということは十分に可能です。

しかし上記で説明をした通り鵞足炎が悪いのではなく鵞足炎になった原因を取り除かなければ何度も何度も再発をしてしまいます。

鵞足炎だけでなく痛みを繰り返しているものに関してはしっかりと大元の原因を改善しなければ一番初めに痛くなったよりもさらにひどくなった状態で再発をすることが多いです。

細かくなりますが、日常生活の中でご自身でも気づいていなかった癖などもフォーカスしてアドバイスを行ないます。

 

 

鵞足炎に効果的なストレッチ方法

鵞足炎にはストレッチが非常に有効です。

ストレッチだけをしてではオッケーというわけではありませんが、初期の段階や軽度の鵞足炎だとストレッチなどで十分解消することが可能です。

動画でも解説をしているのでぜひ参考にしてください。

 

手順

ベッドや台、椅子に足を持ち上げていきます。

胸を張って体を前に倒します。

太ももの後ろがしっかりと伸びている感じがあればOKです。

反動を15回つけて伸ばし、最後に15秒間継続的に伸ばしていきます。

これを1日2〜3程度行っていきます。

手順

地面に両足をついて、片方の足を広げます。

できるところまで広げたら足先を上に向けて足を延ばします。

伸ばしている方に向けて体を伸ばしていきます。

太ももの後ろがしっかりと伸びている感じがあればOKです。

反動を15回つけて伸ばし、最後に15秒間継続的に伸ばしていきます。

これを1日2〜3程度行っていきます。

 

手順

上記で同じ様にしていきますが、伸ばすときに足を内側に向けていきます。

伸ばすときに内側が伸びていればOKです。

 

手順

地面に胡坐をかくようにして座ります。この時足の裏をくっつけて座ります。

足をパタパタさせる様にして足を内側を伸ばしていきます。

この時に股関節の部分が伸びている感覚があればOKです。

この動きを30回程度行っていきます。

 

このストレッチは痛みが出ればそこまで無理をして続ける必要はありませんが、できるだけ継続的に行う事で痛みを軽減させることができます。

是非行ってみて下さい。

まとめ

鵞足炎を非常に軽視されてる方が多いように見受けられます。

筋肉性のものだったら安静にしていると治るんでしょう。と言われる方も非常に多いのですが、実際の鵞足炎の原因としてあげられるのは痛い部分の鵞足だけでなく、膝や股関節、背骨などの部分が悪くなってしまい痛みを出すことがほとんどです。

この状態を長時間ほったらかしにしていると体にとって非常に治りにくい状態になってしまいます。

一時的に痛みを取るのではなく鵞足炎だけはきっちりと根本的に治すようにしていきましょう

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