妊娠、出産を終えた後、多くのお母さんが悩まされる腰痛。
特に多いのは、今まで全く痛くなかったのに育児をしていると急に痛くなったということが非常に多いです。
しかし、なかなか治療や整骨院、整体院にいけないのが現実です。そこで今回は、特に産後に腰が痛くなったときの原因や自宅で対処法、ストレッチの方法を詳しく説明します。
ではそもそも、なぜ出産後に腰痛がでるのか。今まで腰痛を感じたことがなかったにも関わらず、妊娠中、もしくは産後から「急に腰が痛くなった」という声もよく聞きます。
それには大きくわけて3つの原因が考えられます。
●?姿勢
●?骨盤の開き
●?筋力の低下
それぞれの原因が独立して原因となって症状が出てしまう、というより、全てが徐々に蓄積した結果、腰痛となって症状がでることの方が多いのです。
■ ?姿勢
妊娠中はどうしても体が反ってしまいます。特に妊娠後期でどんどんお腹が大きくなると腰が反ります
元々体に柔軟性がある方や、筋肉がある方はある程度保つ事ができますが、筋力が少ない方が妊娠中には体重の増加と筋肉の低下、そして姿勢不良が腰に負担をかけます。 妊娠中も大事ですが、産後はもっと大切です。詳しくは下記で説明します。
■ ?骨盤の開き
次に骨盤が開く事です。そもそも骨盤が開くとはどういう事をいうのでしょうか?
実は骨盤が開くとは『ぱかっ』と開くのではなく、厳密に言うとゆがみと腰の反りが重なって骨盤が開く女体になります。
少し詳しく説明しましょう。
右の写真が骨盤の写真です。
まず、左右に大きく見えるのが腸骨(ちょうこつ)と言う骨です。
真中に見えるホームベースの形をした骨が仙骨(せんこつ)です。仙骨の上に岬角(みさきかく)というものがありますが、これは骨盤と5番目の骨の 付け根となる部分です。一番ヘルニアが起きやすい場所です。
この岬角と言う部分がどんどん鋭角になっていきます。矢印の方向に向かっていく感じです。
同時に腸骨が中に入ってきます。そうするとテコの原理で一番下にある坐骨(ざこつ)が開きます。
坐骨は座った時にお尻が当たる場所ですね。そこが開くのでお尻が大きくなります。
坐骨の横に凹んだ部分がありますが、これが股関節を入れるカップです。この部分に股関節がはいるのでお尻がやたらと出っ張ります。
これが骨盤が開いた状態です。これを解消する事で腰痛を改善できます。
■ ?筋力の低下
?でご説明した通り、骨盤の周りの筋肉が落ちます。少しではなく、かなりの具合で低下します。
これも妊娠後期からどんどん低下していきます。特に、腸腰筋、腹筋、内転筋、骨盤底筋群。この4つの筋肉が著しく低下します。
これらすべて体の軸となる筋肉です。一つ一つ説明をします。
●腸腰筋(ちょうようきん)
この筋肉は体の軸となる筋肉です。大腰筋(だいようきん)と腸骨筋(ちょうこつ)の2つに分かれます。
この筋肉の役割は
腰のコルセットの変わり
要するに、腰の全てを支えていると考えてもらっても過言ではありません。姿勢をよくしようとおもうとこの筋肉がないと体を支える事ができません。
産後はこの筋肉が衰えてしまします。逆に言うと、この筋肉が元に戻ると 腰痛も改善する可能性が十分にあるということです。
●腹筋(ふっきん)
この筋肉も腸腰筋と同じく体をさせている筋肉です。体の軸となる筋肉です。
この筋肉の役割は
体の外側もささえている筋肉
腸腰筋がインナーマッスルに対して腹筋はアウターマッスルと呼ばれています。イメージ的には外の体を守っているのが腹筋
中の軸を支えているのが腸腰筋です。両方とも同時に働くので協力筋とも呼ばれます。同時に鍛える事で産後に落ちた筋肉を回復できます。
●内転筋(ないてんきん)
次は内転筋(ないてんきん)です。この筋肉は足の内側を支える筋肉です。
内転筋というのは、
上半身と下半身を支える為の筋肉
です。この筋肉は使わないとすぐに減ります。
ではなぜこれが腰痛と関係あるのでしょうか?
この筋肉は骨盤から始まってつきます。ということは筋肉が落ちると骨盤が歪むと言うことです。
O脚などもそうですが、この内転筋は弱くなると外に引っ張られる力が強くなるので変形や歪みが出てしまいます。
内側がとても大切なのですがどうしても弱くなりがちです。この筋肉を鍛える方法は下記でご説明します。
●骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
この筋肉は名前の通り骨盤の一番下につく筋肉です。男性の場合は内臓が女性に比べて少ないのでいいのですが、女性は男性に比べて子宮と卵巣があります。
その分だけ負担が非常にかかりやすくなります。産後にはこの筋肉が弱ってしまうのでどうしても支える事ができなくなります。
それを支えているのが腰の筋肉です。下に落ちないように一生懸命骨盤底筋群の代わりに頑張ります。これいよって腰痛を引き起こします。
出産後は特にこの骨盤底筋群が弱くなるので元の状態に戻す必要があります。
次は妊娠中の姿勢についてお話をします。
妊娠中は腰が反ってしまう事が多いです。といいますか、必ず反ります。
右の写真の様に腰の前湾が非常に強くなります。背中も丸くなる為腰にも股関節にも負担がかかる状態です。
では産後はどの様になるのでしょう?そうです。この姿勢のまま全く残ってしまいます。
これを俗にいう反り腰といいます。妊娠中にこの姿勢でいるのに出産後もこの姿勢になるので余計に痛みが出てしまいます。
一番大切なことは
●腰を反らさないこと
です。腰がそると骨盤が開いて筋肉に負担がかかり痛みがでます。ですので、これをいかに反らさないかがポイントです。
正しい立ち方
?耳、肩の先、股関節の外側、膝、足首の外側が一直線になる様にします。
写真の様な感じです。まっすぐする時に気をつけて欲しいのは
●顎が上がらない、お腹を突き出さない、胸は開かない。
中々難しいですよね。一つずつ説明をします。
■ 顎が上げない
猫背や姿勢は悪くなる要因として顎が上がるというのがあります。顎を上げると頭が前にいきます。
この状態でどれだけ正しい姿勢をしようとしても難しいです。顎を引くようにしましょう。下に引くよりも後ろに引くイメージです。
■ お腹を突き出さない
一見綺麗な姿勢に見えますが実は腰の痛みを悪化させます。お腹を突き出す=腰が反るになるからです。これはお腹をへこませお尻の穴をしめる感じで立ちます。
■ 胸は開かない。
意外ですよね。実は胸を張ろうとすると同時に腰が反ります。これも一見綺麗に見えますが実は腰の痛みを増強させているだけで体にあまりメリットがありません。
胸は開かず顎を意識しましょう。
●ではどうしたらいいの?
まずは壁に背中を全てつけましょう。頭、背中、肩、お尻、太もも、ふくらはぎ、かかと、これが正しい姿勢です。
もしもできない場合は一度その状態から大きく深呼吸をしましょう。そうすると胸が開いて背中も真っ直ぐになりませんか?
それが正しい姿勢です。
詳しくは動画でお伝えします。
●腸腰筋(ちょうようきん)の鍛え方?
手順
?椅子に座り、両手を椅子のサイドを持ちます。
?背筋をしっかりと伸ばして足を90°以上持ち上げます。
ポイントは90°以上です90°までは太ももの筋肉を使って足を上げます。しかし、それ以上になった時に初めて腸腰筋を使います。
足上げ運動として立ちながら90°以上上げれればOKです。
回数は片足15回〜20回程度です。
●腸腰筋(ちょうようきん)の鍛え方?
上記と同じ考えですが、スクワットでもOKです。
足を上げるか股関節を曲げるかの違いになります。
?肩幅以上に広げます。
?1、2、3、と数えながらゆっくりと膝を曲げていきます
?4で1秒静止します。
?5,6,7、と数えばがらゆっくりと元へ戻します。
?これを10回続けます。
意外としんどいですよ。初めは無理をしない方がいいですね。初めは上記から始めるのが一番いいですね。
●腹筋(ふっきん)の鍛え方?
腹筋といえばガンガン上げて上体を起こしてと言うイメージがあるかもしれませんが、実際は違います。頭を上げて目線がおへそを見える位までにできるのが一番ベストです。
そんなに沢山する必要はありません。
?まずは仰向けで寝ます。
?次に膝を立ててお腹の上に両手をおきます。できるだけリラックスできる状態が理想です。
?頭を上げていくのですが、おへそが見える位までで止めます。この状態で3秒間位キープさせていきます。
?終われば一度頭を落として基本姿勢に戻ります。
簡単そうに見えますが意外としんどいんですよ。初めは5回程度慣れれば10回。それでもまだまだという場合は3秒を5秒に増やします。
回数を増やすよりも静止できる時間を増やした方がいいです。是非してみて下さい。
●腹筋(ふっきん)の鍛え方?
この腹筋はやや高度の物です。腰に痛みがあればすぐに辞めましょう
?仰向けに寝ます。
?両膝を立てて空中に浮かします
?股関節、膝関節がそれぞれ90°になる様にします。
?両手をクロスさせるようにして胸の前に組み、膝が足に当たるようにします。椅子などに足をおいてもいいです。
かなりしんどいので無理は禁物です。
回数は初めは5回程度慣れれば10回程度で十分です。
●腹筋(ふっきん)の鍛え方?
この腹筋の方法は初級向けです。比較的簡単にできるので産後初期でも大丈夫です。
?仰向けに寝て膝を立てます。
?足を抱え込むように丸くなります。その状態でゆらゆらする様にします。
?これで10〜20回程度行います。
腹筋が弱い方はこの運動でもしんどくなります。しかし、腰に負担がかかりにくいので基礎を鍛えるにはおすすめです。
●内転筋(ないてんきん)?
内転筋はとても大事な筋肉です。この筋肉の鍛え方を紹介します。
?まずは肩幅以上に足を開いて立ちます。
?次に手を膝に当てて立ちます。
?そこから膝を90°くらいにまで曲がるようにします。イメージはおすもうさんのシコをイメージして下さい。
回数は10回を3セットです。背中が曲がると腰を痛めますので姿勢は真っすぐの状態でしましょう。
●内転筋(ないてんきん)?
2つめはタオルを挟み運動です。
腸腰筋と似ていますが、座ったままでします。
?座位になり、足の間にタオル、ボール、クッション等を入れます。
?挟んだ物を足でぐっとしめる様にしていきます。
回数は10回を3セットです。3秒間程度足を閉めてタオルが落ちない様にしましょう。
●骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)?
手順
?仰向けで寝て、膝を立てます。
?立てた膝の間(内もも)にタオルを入れます。クッションやボールなどでもOKです。
?その状態で挟んだ物をぐっと内側に閉めていきます。この状態で5秒キープ
?緩めるのですが、タオルが落ちない程度にします。
これを日10回〜15回行います。できれば朝昼晩するのがベストです。
もし寝るのが・・・という場合は普通に椅子に座ってもらえればOKです。一番やりやすい形で行いましょう。
●骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
2つ目の方法です。これも簡単です。
仰向けに寝て膝を立てます。
タオルを膝の部分に挟むます。
この状態で足を肩幅近くまで広げて(タオルが落ちないように)腰を上げます。
この時には顔から恥骨までが平行になる様にしましょう。できる限り上げられる所まで上げていきましょう。
これを日10回〜15回行います。できれば朝昼晩するのがベストです。
下記に動画を用意していますので参考にして下さい。
産後の腰痛を改善するためのストレッチ方法
次はストレッチの方法についてお話をしていきます。
ストレッチをするときには上記でご説明した
腸腰筋、内転筋、骨盤底筋群、腹筋
の筋肉をほぐす必要があります。筋肉を付ける事も大切ですが、関節の遊びを作る事も大切です。
しかし、腹筋のストレッチは腰に負担がかかるので今はしない方がいいです。
腸腰筋のストレッチ方法。立ってするバージョン
手順
足を前後に開きます。伸ばしたい方と反対の方を前大きくに出します。
そのまま前に出した方に体重をかけて行きます。
すると伸ばしている方の前側がストレッチされて行きます。
腸腰筋のストレッチ方法。寝てするバージョン
寝る方法はベッドが必要になります。
仰向けに寝ます。
片足をベッドから落とす様に下にたらします。そうする事でお腹の前が伸びるのと同時に腸腰筋がストレッチされます。
腸腰筋のストレッチ方法。寝てするバージョン
手順
ベッドで仰向けに寝ます。
次に伸ばしたい方と反対の脚を曲げて行きます。胸に近づけるイメージです。
すると足を伸ばしている方と反対の脚が伸びて行きます。
内転筋のストレッチ方法。座位編
手順
座った状態で足の裏をくっつけ、自分の恥骨にできるだけ近づけます。
そのまま上半身を前に倒します。これで内側の筋肉が伸びます。もし、前屈がきついなら手で足を押しても大丈夫です。
これを1日10回程度行いましょう。
内転筋のストレッチ方法。立位編
立った状態で説明します。
この状態では足をできる限り足を開きます。
お相撲さんお四顧を踏む様に腰を落とします。
すると内ももがよく伸びると思うのでそのまま5秒間程度持続させます。
これを1日10回程度行いましょう。
骨盤底筋群のストレッチ方法
内転筋のストレッチに近いのですが、骨盤底筋群の鍛え方は少しだけ違います。
手順
?座った状態で足の裏をくっつけ、自分の恥骨にできるだけ近づけます。
?そのまま上半身を前に倒します。これで伸ばすのではなく、反動をつけます。
?足先を両手で持って、次に膝を浮かしたり降ろしたりと繰り返していきます。写真の様にぐいぐいする感じです。
そうする事でお尻が閉まるので周りの筋肉が緩んで行きます。トレーニングにもなるのでとても効果的です。
これを1日10回程度行いましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?産後腰の痛みで悩まれている方は本当に多いです。
しかし、正しい知識、と 運動ストレッチをすると必ず改善します。しかし、自分でもやっても改善しない時は直ぐに近くに整骨院や整体院にいきましょうね。
一つずつでいいのでできることから実践してみて下さい。
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