マラソンや運動をしていると多くの方が悩んでしまうのが膝の外側の痛みである鵞足炎です。
私のところにも毎月のように多くの鵞足炎で悩まれている方がいらっしゃいます。
最近はマラソンをする方が非常に増えているので鵞足炎に悩まれている方もとても多いです。
鵞足炎と言うのはいろいろな形がある中で非常に再発が多い疾患でもあります。
今回は何度も再発を繰り返してしまう鵞足炎の正しい治し方そして日常生活の中で気をつけなければいけないことをお伝えしていきます。
鵞足炎になってしまう一番大きな原因とは
鵞足炎になる原因は足の使い方と股関節の使い方が悪いことです。
使い過ぎが原因と言うのは一つの要因でしかありません。
ランニングなど運動している方の場合はランニングのフォーム、運動をしていない場合でも立ち方や歩き方が悪いことが、鵞足炎を引き起こす一番の原因になります。
鵞足炎は、膝の内側、すねの骨の内側上部にある鵞足の部分で起こる炎症なので鵞足炎と呼ばれます。
鵞足には縫工筋(ほうこうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)、薄筋(はっきん)という3つの骨盤から伸びる筋肉が付着します。
筋肉と骨を結ぶ部分を腱(けん)といい、その腱と骨が膝を曲げ伸ばしすることで擦れます。
本来この骨と腱が擦れるところには滑液包(かつえきほう)と呼ばれる少量の水分を含んだ袋状の細胞があり、摩擦が起こらないようにしています。
ですが、必要以上の摩擦がその部分にかかり続けることで、炎症を起こしてしまった状態が、鵞足炎です。
足を曲げ伸ばしするランニングやジャンプ運動を頻繁に繰り返すことで、鵞足部にある滑液包に負担をかけ続けてしまうのでそういったスポーツをする人に起こりやすいです。
鵞足炎は使い過ぎで起こる、というように言われがちですが、スポーツをしている人でも鵞足炎にならない人もいれば、スポーツをやっていなくても鵞足炎になる人もいます。
それは使い過ぎることが原因なのではなく、使い方が悪いまま使いすぎているから、鵞足炎になるのです。
特に股関節、膝、足首の捻れがある場合には、鵞足炎になります。
股関節の内へ向く捻れ、逆に膝から下は外へそして足首がまた内へ捻れる、というような立ち方や歩き方をしている人に鵞足炎は見られやすいです。
わかりやすく言うとX脚や内股のような足の捻れをしていると、鵞足炎を起こしやすいです。
歩くとき、走る時に股関節がこの様な状態になっている事が問題です。
この様に膝、股関節、足首が一直線になっているのが一番理想的です。
次に重要な部分が足首。
足首がこの様に中に捻じれていたる状態になっていると膝に負担がかかる
後ろから見た際にこの様な足の捻じれが出ている場合は鵞足炎
ですがこれも、さきほどの使い過ぎのようにX脚だから鵞足炎になる、と言うわけでもありません。
X脚でも鵞足炎にならない人、X脚じゃなくても鵞足炎になる人の両方が起こりうるということは、結局はその人の足の使い方に癖や原因がある、ということです。
例えば歩いているときの膝の向き、足首の位置、さらには階段の上り下りのときの膝の角度など、体の使い方が悪いと日常の中の些細なこういったことが原因となり、症状が現れてきます。
この様な状態で使うと結果的に膝がオーバーヒートになってしまって鵞足炎になります。
また、痛みが引いたとしても必ず再発を繰り返すので本当に気をつけなければいけません。
鵞足炎になった時一般的に行われる治療方法とは
鵞足炎になったときに、一般的には
- アイシング
- 安静
- テーピング
- インソール
という治療法があります。
運動後に痛みが起こるような場合には、痛む部位をアイシングします。
使い過ぎ、運動のし過ぎ、と判断されたら安静にしていましょう、ということになります。
テーピングやインソールで強制的に足の使い方を変えるようにする、という方法もあります。
ですがこれらに共通して言えるのは根本的な解決になっていない、ということです。
アイシングではその時の炎症が抑えられます。
ですがまた運動をしたり歩いたりすると痛みがぶり返します。
安静にしていてもまた運動を再開したら鵞足炎を再発する、という風に繰り返してしまうのは治ったとは言いません。
テーピングを貼ることで足の使い方を強制的に変えていったり、硬い部分の筋肉のサポートをさせることができるため、痛みは和らぎますが繰り返し行なっていると貼っている状態に体が慣れてしまいます。
負担がもう一段回増してくるとテーピングでは痛みが変わらないことになります。
インソールもテーピングと同様、つけているときはマシになっても使い続けるとまたインソールを付けていても痛い、というように体が慣れていきます。
鵞足炎の原因は足の使い方ですので、鵞足炎の治療を行うのであれば、まずそこから改善していかなくては、一時的に痛みがマシになったとしてもまた繰り返してしまう、ということになってしまうのです。
全てを否定するのではなく、あくまでも使いかを気を付ければ全ていいものになります。これだけで治す!のではなく、治す為の手助けと考えて下さい。最終的には上記であげた股関節と足首の捻じれを改善する必要があります。
鵞足炎になったとき行なってはならない治療方法とは
逆に鵞足炎になったときに行なってはダメな治療方法は、
さらに運動して筋肉をつけて鍛える
という方法です。
特に内ももの筋肉の問題だ、ということで、内ももを鍛えようとトレーニングを行うのはやめましょう。
本当にこの考え方を持たれている方多いです。
痛みを我慢して運動し続けてしまうことだけは避けましょう。
筋肉が硬くなっているからいって、過度にストレッチしたり痛みが出ている部分や周辺をマッサージしすぎないようにしましょう。
鵞足部分につく筋肉の緊張が強くなっている分、刺激に対してとても敏感になっています。
筋肉は強く刺激をしたら早く柔らかくなる、というものではありません。
ストレッチも痛みを我慢しながら行なっていくと、逆に筋肉の繊維は伸びない部分を無理に引っ張られてしまうので余計に防御反応を起こし、より硬く伸びないようになってしまいます。
伸ばせる範囲をゆっくりじんわりストレッチさせていくことで、自然と伸ばせる範囲は広がっていきます。
これらの治療は根本治療というより、対処の療法になります。
どうしても歩かないといけない、走らないといけない、というときにこれらの事を行うと、これ以上に悪化しないようにはできます。
治療の目的が鵞足炎を治す、と言うよりも悪化しないようにする、ということになりますのでそこの間違いがないようにしておきましょう。
私が実際に指導している対策
私が実際に指導している内容は3つあります。
- 正しいストレッチ方法
- 正しいマッサージ方法
- 歩き方(足首の矯正をする方法)
この3つの方法をお伝えをしています。
動画でも解説していますので、是非参考になさって下さい。
正しいストレッチ方法
鵞足炎は3つの筋肉から構成されています。
一気に全てのストレッチをするのではなく、一つずつ筋肉を分けてストレッチを行って行くのが一番理想的です。
動画もあるので合わせてご覧下さい。
正しいマッサージ方法
鵞足炎に有効な歩き方講座
1から順番に見て下さい。
日常で少し意識するだけで必ず改善するので是非参考になさって下さい。
何度も鵞足炎を再発をしてしまう人の特徴
鵞足炎を何度も繰り返してしまう方の特徴は、歩き方や立ち方が改善されていないところです。
そして足首の捻じれが取れていない事が理由です。
原因として述べていたように、足の捻れが起こっている状態であると、結局立ち方も歩き方も変えることができません。
痛みがきつければその間だけ休み、一時的に痛みが引いたらまた運動して、というように治療のための休息を行なわず、0か100かの運動サイクルをしている、と鵞足炎の再発が非常に多くなります。
休ませていた体を一気に激しく動かすことも再発のリスクを上げてしまいます。
しっかりと休息をとったうえで、その期間の中で足の使い方を変えていく治療を行い、徐々に運動量を増やして慣らしていく、という調整を行うことも鵞足炎の治療では必要になります。
基本的に運動を同じ様にしながら痛みを完全に解決するのは無理と考えて下さい。
何度も言いますが、
鵞足炎を再発しないためには、足の捻れをとること、足の使い方を変えること、そして休息をとること、この3点が重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
鵞足炎が何度も再発しないようにするための方法とは根本的に体を治療していく必要がある、ということです。
治療というのは足の使い方を変えて体の使い方自体を変えていかなければならないのです。
鵞足炎の再発を繰り返している方は、一時的、その場しのぎ、というような痛みの取り方をしてしまっていることが多いのです。
運動を普段からしている人は特にランニングをしたい、運動をしたい、休みたくない、という気持ちが強く、治療のための休養がとれていないことも、再発しやすい原因と考えられます。
痛みがでてしまったらまずはその痛みをとることに専念することは、今後運動を続ける方にとっては重要です。
歩き方、立ち方など普段は気にせず過ごしているところを、意識的に変えていくことができれば、足の使い方、体の使い方を変えていくことができます。
自分が知らないうちに沁みついてしまった癖を変えていくことで、鵞足炎の痛みを繰り返さない体を作りましょう。
もし鵞足炎でお悩みでしたら、一度ひこばえ整骨院にご相談ください。
ひこばえ整骨院鵞足炎に対する治療
ひこばえ整骨院では鵞足炎の治療を非常に得意としています。
悪い部分だけを見るのではなくそれ以外の歩き方や立方体の使い方を全て見て一番最適な治療方法を選んで行きます。
もしあなたが鵞足炎による悩まれていて、再発に悩まれているならば是非下記をご覧ください。
執筆者
ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)
柔道整復師(国家資格保持者)
業界歴16年。
18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。
2019年に本を出版