あなたは産後に、体型の変化を感じますか?
産後、体重が増えて太ってしまったのならば残念ながら原因は明白です。
ですがもし、体重にはあまり変化がないにも関わらず、あなたの体型が変わってしまっているのであれば、その原因はしっかり取り除かねばいけませんね。
今回は、産後体重は変わらないのに体型が戻らない3つの原因についてお話しします。
産後体重は減ったのに、体型が戻らない?!
出産をきっかけに体重の大きな増減があるのはほとんど当然のことですね。
赤ちゃんがおなかの中にいて、その子がすくすく育つにつれて、ご自身の体重が増えていくのはある程度は仕方がありません。
産後、授乳や育児をしていく上で、また新たに妊娠しなければ半年〜1年ほどかけて体重はもとに戻っていきます。
ですが体型はどうでしょう。
妊娠時に増えた体重は戻り、おなかの中の子も出産し、その分凹んでもいいはずのおなかがなぜだか戻っていない、出産して元に戻ったはずのおしりの大きさが戻っていない、ということはないでしょうか。
実は体重が減っても体型が戻らない原因は、単純に脂肪が増えただけの問題ではないからなのです。
体型が戻らない3つの理由
姿勢
実は産後に体型が戻らない一番の理由は姿勢なのです。
あなたは普段から姿勢を意識していますか?
逆にいい姿勢にしようと背筋を伸ばしすぎてはいませんか?
姿勢次第でお腹の出方や、お尻から太もものライン、そして背中の贅肉のつき方が変わってくるのです。 たとえば、立ち姿勢で反り腰になりやすい方。
もともと反り腰傾向にある方はもちろんですが、特に妊娠、出産、育児をきっかけに反り腰になる方は多いです。
妊娠でおなかが大きくなるにつれて腰が反っていき、産後も赤ちゃんの抱っこなどで腰が反った状態で生活をする癖がつき、結果反り腰が定着ししまう、という方が多く、産後の体型が戻らない原因になります。
こういった方々はお腹を前に突き出すような姿勢になりやすく、脂肪もおなかや腰上につきやすくなります。
反り腰の場合、おなか側から支える筋肉が働かず、おしりの筋肉が発達しやすいため、おなかが前に出ておしりをプリッと突き出すようアヒルのような姿勢になります。
もう一つ、体型が戻らない原因になる姿勢が、猫背の方。
猫背姿勢では骨盤を寝かせてしまうため、おなかの前の筋肉が委縮しやすくなります。
さらに、猫背になると胸郭が狭まり内臓を上から圧迫しやすくなります。
そうすると、内臓の位置が下へ下がったり、圧迫されることで内臓の機能自体が低下してしまいます。
内臓の機能が低下する、ということは消化吸収がうまくできなかったり、排泄機能が低下することになります。
その結果、老廃物が溜まる、血液循環が悪くなることに繋がり、体がむくみやすくなることでセルライトができやすい体になるのです。
セルライトは一度できると体重が減ったとしても残ってしまう老廃物の塊です。
これは産後の骨盤が開いた状態で固まっている場合にも起こります。
骨盤が開くと内臓の位置が下がるため、からだ全体がむくみやすくなります。
産後に体型だけが戻らない場合は単純に骨盤が開いたからその分幅が広がった、というものではなく、こういった普段の姿勢からの影響が出ている可能性が高いのです。
特に出産後は筋力が低下しているため、姿勢を維持するときや体の使い方が、楽な方に流されやすくなってしまいます。
産後にきっちり体のバランスを整えておかないと、どんどん癖が強くなってもとに戻しにくくなります。
産後の骨盤矯正は単に骨盤を閉めるためのものではなく、ずれてしまった重心を元の正しい位置に戻すためにも必要なものなのです。
歩き方
姿勢からつながるもので、歩き方も体型が戻らない原因になります。
特に女性は内股歩きになりやすいことから影響が出やすいのです。
内股歩きになると小指側に重心が乗りやすく、太ももたふくらはぎの外側の筋肉が硬く張った筋肉に発達していきます。
小指側に重心がかかると足首をうまく動かせなくなります。
もともと足の関節が硬い人や、よく足首の捻挫をしていた人なども足の関節の動きが悪く、脛の筋肉やふくらはぎの外側の筋肉に負担がかかります。
その結果ふくらはぎは太く、張ったししゃものようになり、筋肉が硬く張ってしまうことで血行不良となり、脂肪を燃やしにくい筋肉が出来上がります。そのため太ももの外側ばかりが出っ張ったような足になります。
単に脂肪がついた、というだけの話ではないため、体重が減ったとしても足が痩せないということになるのです。
足を細くするためには歩き方を変える、正しくする必要もあるのです。
ホルモンバランス
出産をきっかけに体型が変わった、という方は少なくないでしょう。
ではなぜ産後、体型が変わってしまうのか、体型が戻らないのか。
年齢を重ねていくとともに、女性ホルモンの分泌量は低下していきます。
特に妊娠中から出産後での分泌量の変化は著しく、妊娠中には最大限分泌されていた女性ホルモンが出産を終えると同時に一気に下降します。
これは妊娠中には子宮を大きくしたり、乳腺を発達させたり出産に伴って体を変化させるためのものです。
出産を終えると今度は体を元の状態に戻すためにその分泌が一気に低下するのです。
特に出産の際に最大限まで骨盤周りの靭帯を緩めて産道を広げていたため、それを元に戻す、ということは逆にホルモンの分泌を抑制する必要があります。
そのため出産後の女性ホルモンが低下しやすく、この時に体型が崩れやすいのです。
女性ホルモンには、女性らしい体のライン、体型の形成というはたらきがあります。
女性のくびれやお尻のラインは女性ホルモンによってつくられています。
産後にくびれがなくなった、年齢を重ねるとともにウエストのラインが変わってきた、というのは女性ホルモンの低下による影響をうけているのです。
それぞれの対策
姿勢の気を付け方
正しい姿勢は力を入れずに重心が真ん中にある状態です。
わかりやすい目安としては、壁を使って確認することができます。
壁に後頭部、肩甲骨、仙骨(骨盤の後面)、かかとをつけた状態が一番理想的な姿勢ということになります。
このとき、腰と壁の隙間は手のひら1枚分。
この状態になれなかったりしんどさを感じるようであれば、あなたの姿勢は正しくない、ということです。
例えば反り腰の方の場合、肩甲骨と仙骨をつけようとすると腰が壁から離れてしまい、手のひらが余裕で入ってしまういます。
反対に猫背の人や、骨盤が後ろに倒れている人は肩甲骨と仙骨を壁につけようとするとお尻やかかとが壁から離れていたり、逆にかかとやお尻を壁つけると肩甲骨が浮いたり腰と壁に隙間がなくなります。
正しい姿勢を意識しようとするなら以下の3つのことに注意しましょう。
・耳、肩、くるぶしが一直線になるように。
・常に腹筋を意識して骨盤を床と垂直になるように立てる。
・重心は足先の指とかかとの両方にかかるように膝の力を抜く。
日常生活の中で少しでもこの3つを意識できると姿勢を支えるための筋肉に刺激が加わり正しい姿勢を維持できるようになります。
姿勢の癖を治すことは容易なことではありません。
数ヶ月単位で改善する意識を続けましょう。
産後で骨盤の開きや歪みがある場合、正しい姿勢を意識しようとしても重心がずれてしまうため歪んだ状態のままになったり、間違った姿勢で体が覚えてしまいやすくなります。
まずは産後の開きや歪みを取り除くことからはじめて、正しい姿勢を身につけましょう。
歩きかたの気を付けかた方
歩き方の注意すべきポイントは以下の3つです。
・歩幅は大きく、かかとから着地。蹴るときはしっかり親指と人差し指で地面を蹴って歩く。
・腹筋と内ももと裏ももの筋肉を使えているか意識して歩く。
・目線は下を向かないように進行方向に向ける。
普段歩き方が正しくない人は、このように歩き方をきをつけるだけでも筋肉痛になることもあるくらい、普段意識していないところを動かすことになります。
歩く時間は1日1時間を目安に歩くことに意識を集中できる時間をつくりましょう。
一気に1時間ではなくても、通勤で片道20分ずつ、買い物に寄ることで10分ずつ、など小分けにして、トータルで1時間歩くことができれば十分です。
出来るだけ毎日1時間を続けるのがベストですが、無理なく継続できるように意識は常にしていきましょう。
ホルモンバランスの整え方
年齢とともに女性ホルモンの分泌量は低下していきます。
これは変えようのない事実です。その代わりにそれを補う必要が出てきます。
女性ホルモンを食材で補うには、女性ホルモンと似たはたらきを持つ大豆イソフラボンを積極的に摂取しましょう。
大豆、味噌、豆腐、納豆など日常生活で取り入れやすい食品が多くあります。
他にも直接増やすことはできませんが女性ホルモンの環境を整える、という意味では自律神経のバランスを整えることもたいせつです。
特に女性ホルモンはストレスによる影響を受けやすいため、ストレスを発散する場や時間などご自身なりにストレスを発散できる方法を持っていると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
産後の体型が戻らない原因というのは単なる食べ過ぎや体重が増えたせいという問題ではないために、食べる量を減らしても、体重が減っても変わらないのです。
姿勢や歩き方はもともとの癖からの影響を受けやすいです。
産後は特に筋力も落ちてしまっている分体を楽に使いがちです。
適度に体を動かしたりストレッチすることで筋肉に刺激が加わります。もちろん姿勢や歩き方を意識しながらの散歩やウォーキングなどもいいでしょう。
産後だからと育児に追われて女性らしさを忘れてしまってはいませんか?
いつまでも綺麗な自分を維持するためにも、日頃から継続できる体型維持のための習慣は身につけましょう。
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