出産を終えて子育てに追われる日々の中、手首に痛みや違和感を感じることはありませんか?
特に手首に痛みが出てからなかなか痛みが引かなかったり手首の痛みを繰り返したりしている場合、その痛みは腱鞘炎かもしれません。
今回は産後に腱鞘炎になる原因や対処法についてお話ししていきます。
腱鞘炎ってなに?
そもそも腱鞘炎とはどんな症状なのか、あなたはご存知ですか?
腱鞘炎とは、筋肉と骨を結ぶ紐状の筋の腱の部分と、その腱が浮かないように押さえるトンネル状の腱鞘という部分と過度に擦れることで炎症を持った状態のことを言います
発生場所で多いのが、手首、指といった部分です。
特に親指のつけ根で起こる腱鞘炎は「ド・ケルバン病」(狭窄性腱鞘炎)と呼ばれます。
腱鞘炎、と言われると手首をよく動かしたり、使いすぎた時になるイメージではありませんか?
確かに腱鞘炎の原因は主に同じような反復動作を行なうこと、すなわち使いすぎです。
ピアニストや美容師、スポーツ選手などは使いすぎと言われても納得ですが、近年ではスマホやパソコンの使いすぎによっても腱鞘炎になる人が増えています。
つまりデスクワークが原因で腱鞘炎になることも少なくないのです。
そして、今回のお話のメインとなる、家事・育児で手首をよく動かすことになる産後の主婦の方に起こることも決して珍しい話ではありません。
産後に腱鞘炎になる3つの理由
主婦の方の中でも圧倒的に腱鞘炎になりやすいのが初産後の方です。
なぜ産後に腱鞘炎になりやすいのか。
沐浴、授乳、抱っこによる手首への負担
初めての出産を終えて、初めての育児に入ります。そのため肩に力が入ったり、今ままでよりも圧倒的に手首にかかる負担が増えてしまいます。
授乳の際には首の安定しない赤ちゃんを支えた状態で20〜30分が1日に8回〜10回以上ある場合も。
授乳が終わっても普通に抱っこをすることも手首には負担になります。
そのまま沐浴や家事もしてまた授乳に抱っこ…、という状態が続けばもう十分使いすぎですね。
腕、肩や背部の筋肉の緊張
産後のママさん全員が全員腱鞘炎になるわけではないのも、体や体の使い方に個人差があるからです。
もともと肩にコリ感があるような方だと肩や首の筋肉に硬さがあり、その影響で腕や肩の動かせる範囲に制限がある状態になっています。
そのため肘や手首への負担が多くなり、腱鞘炎になりやすいのです。
他にも自覚症状がない場合でも、背中などの筋肉に硬さがあったり動かせる範囲が狭い方の場合は、本来の様には体が使えていないことになるので、手首や指に負担が多くなっても不思議ではありません。
体の捻じれや歪みがある場合も同様、体の使い方によって産後に腱鞘炎になる人ならない人で差がでてくるのです。
女性ホルモンの影響を受ける
妊娠・出産に主に関わる女性ホルモンはプロゲステロンとエストロゲンです。
産後に、出産のときに緩んだ子宮の収縮を促したり骨盤を元の状態に戻す効果のあるプロゲステロンは、産後数ヶ月にわたり分泌され続けます。
そしてそれが全身に分泌されることで出産とは関係ない部分もプロゲステロンの収縮作用の影響を受け、手首の腱鞘を収縮させ、狭くしてしまいます。
そうすると、腱との摩擦が起こりやすくなります。
そしてエストロゲンも妊娠・出産に関わるホルモンですが、こちらは本来、腱や腱鞘を柔らかくして関節動きを滑らかにして弾力を保つはたらきがあります。
しかし、妊娠中はエストロゲンの分泌が盛んになりますが、出産後には分泌量が一気に減り、関節の弾力も低下してしまいます。
これが産後のママさんに腱鞘炎が起こりやすい理由です。
普通の腱鞘炎との違い
産後になりやすい腱鞘炎の原因が女性ホルモンの影響もあるとはいえ、症状は普通の腱鞘炎と同様です。
・炎症部(手首〜親指にかけて)の痛み
・手首、親指の腫れ
・少し動かしただけでも痛む
・力が入らないので物が持てない、持ちにくい
・しびれた感じがある
・朝手を広げるのがしんどい
こういった症状に心当たりがある方は腱鞘炎になっている、もしくは腱鞘炎になりそう、な状態であると言えます。
どの腱鞘炎にも言えることですが、腱鞘炎は放っておいて自然治癒するものではありません。
そして、腱鞘炎になりはじめた段階でのケアで症状の程度や回復期間が変わってくるものです。
特に産後の腱鞘炎では特に女性ホルモンの影響を受けやすい産後1ヶ月〜半年の期間に痛みが強く出ても、治まる場合もありますが、その期間中にも当然家事をしたり、子どもさんは成長し体重は増えるため、負担はかかり続けています。
そうするとその間にも疲労は蓄積されるため、症状を悪化させてしまい、結局痛みが引くまで期間がかかることも少なくありません。
使いすぎが原因の腱鞘炎なので、休ませることが一番の対処法となります。
簡単そうに言いますが、これが一番産後のママさんたちには難しい話ですね。
産後に腱鞘炎になった時の対処法
産後に腱鞘炎の症状が出たときに、どう対処すればよいのか。
安静にする、手首を使わないようにする
先ほども言いましたが、一番難しくて一番やってほしいことが、痛めているところを使わない、安静にすることが一番です。
完全に安静は難しくても、できるだけ使わないようにすることでもいいので気を付けましょう。
ご家族のサポートや、テーピングでの固定などで動かさないようにすることも方法の一つですね。
アイシング
手首に痛みが出てきたり、使いすぎてこわばりがでてきたら、手首や指の付け根の部分で炎症が起こっている状態であるため、まずは患部を冷やしましょう。
アイスノンや保冷剤、氷水などで10〜15分冷やすようにしてください。
手首の痛みやこわばりがなくなるまで、こまめに冷やして炎症を抑えましょう。
マッサージ
これは腱鞘炎になり始めの時には有効ですが、痛みが強く出ていたり症状が悪化していると、効果が無かったり逆に熱を持ち痛みが強くなることもあります。
痛みが強いときは刺激をしないでアイシングだけにしましょう。
不快感や一瞬の痛み、動作での痛みなどの場合は、痛みが出ている手首ではなく肘の周囲の筋肉を軽くマッサージしたり、肩や首の方から緩めるようにしましょう。
ストレッチ
腱鞘炎にとても効果のあるストレッチは下記でご紹介しています。
動画でご紹介しているので一度行ってみて下さい。
日常生活でできる予防方法
産後の育児、家事に追われるのはあらがえないことですし、安静、使わないようにするにしても限界があります。
その他日常生活でできる、産後の腱鞘炎の予防法についてお話します。
・抱っこひもやベビーカーを使う
・授乳クッションを使う
・サポーターやテーピングを使う
・ストレッチを行なう
・姿勢を見直す
何度も言いますが、腱鞘炎はなりはじめの対処の仕方や悪化しないようにどう予防するかが大切です。
そのため上記のようなかたちで手首への負担を軽減させて、腱鞘炎にならないよう予防しましょう。
特にストレッチや姿勢の見直しは、自分では気づいていないことが多く、普段意識しないところですが、腱鞘炎になる要素としては大きく関わっています。
産後は妊娠中に動く量が減った分筋力も低下します。
その状態だと、身体の癖や歪みによって使う筋肉にも偏りが生じやすいこともあり、ストレッチや姿勢の見直しが大切になります。
腱鞘炎だけでなく疲労を溜めずに家事育児をこなすためにも、普段から体のケアやメンテナンスは大切です。
他にも、抱っこしたままスマホを見ないようにしたり、旦那さんや他のご家族に協力してもらうことも必要です。あなたの体はあなたが思っている以上に負担がかかっていますからね。
まとめ
産後の腱鞘炎は決して珍しいものではありません。
そして「子供がいるからしょうがない。」で終わらせていいものではありません。
きっちり治療しない限り腱鞘炎は慢性化してしまい、その痛みを繰り返すことになります。
赤ちゃんは日に日に大きく重く成長します。
成長を喜びたくても、育児をするあなたが腱鞘炎で苦しんでいては辛いだけですよ。
ひこばえ整骨院では腱鞘炎(ドケルバン病)に対応ができます。
ひこばえ整骨院では産後による腱鞘炎。ドケルバン病にも対応する事ができます。
腱鞘炎になると物を持つだけでも、抱っこをするだけでも痛みが出てきてしまいます。
手は勿論、体の使い方から施術を行っていきます。
詳しくは下記をご覧下さい。