ハイヒールやサンダルを多く履く時、見映え的にも痛みにも悩まされてしまう外反母趾。
これには女性の多くが悩まされています。
見た目で気になる方もいますが、特に外反母趾の痛みが出ているときは靴を履くのも立ったり歩いたりすることが億劫になってしまいます。
当たると痛いから可愛い靴が選べない、長時間のお出かけは足が痛くなってしまうから諦めてしまう…、いろいろお悩みがあるかと思います。
足が痛いと常に億劫な状況にもなり兼ねないですね。
今回はそういった時の対処法、外反母趾が悪化しないように、改善するための方法についてお話ししていきます。
あなたが今痛み、今後変形が進まない様にどうすればいいのか?
と不安に思っているなら、この記事を最後までご覧下さい。
外反母趾とはどのような状態のことを言うのでしょうか?
外反母趾の解決策をお伝えする前にまず、外反母趾について知って頂きたいです。
知る事によって外反母趾の対策がより理解しやすくなるからです。
外反母趾、という言葉は理解していても実際どういった体の状態なのかご存知でしょうか?
外反母趾は足の親指の付け根の変形し、親指自体が小指側に「くの字」に曲がることを言います。
女性に多く、その原因はハイヒールを履くためということもありますが、女性の方が筋力が弱いことで変形する力に勝てないことも要因です。
外反母趾は写真の様に足の角度を見ます。
この角度は20°以上の場合外反母趾と判断します。
外反母趾の特徴として、親指の付け根のあたりが赤くなっているのが特徴です。
骨が変形している段階や、実際に変形をしている状態です。
もし角度が20°以下でもこの発赤がある場合は外反母趾の途中なので注意が必要です。
ハイヒールだけではなく、足に合わない靴を履いていることが原因になります。
他には女性ホルモンによる影響、そして遺伝的要因もあると言われています。
よく内反小指(ないはんしょうし)という、足の小指が親指側に曲がったり捻じれたりする症状と同時になることが多いです。
その変形した親指の付け根部分が、歩くときに痛い、靴が当たると痛い、曲がった親指が人差し指を圧迫して痛みが出る、などの症状が現れます。
他にも、O脚、骨盤の歪み、腰痛・肩こり、偏頭痛など様々な症状を引き起こすきっかけにもなります。
外反母趾を放置したり見過ごすことは全身のバランスを崩すことにも繋がってしまうのです。
外反母趾の特徴として下の写真の様に足の裏の付け根にタコがあったり、指の甲にもタコがある場合が多いです。
上の写真は外反母趾+浮指+甲のタコがあるパターンです。
この様なパターンが外反母趾には付き物なのです。
なぜ外反母趾になるのか
ではなぜ外反母趾になってしまうのか。
先ほどのお話した原因をより少し詳しい原因を説明していきます。大きく分けて6つあります。
- 足の骨に間にある筋肉の筋力低下によって、中足骨という足の中間部分にある骨を正常な位置に維持できなくなってしまった。
- 土踏まずがない、扁平足。
- 歩く、立つ時に足の指が浮いている。浮き指。
- 片方の足の内側に負担がかかり過ぎている。
- 片方の足ばかり使い過ぎて、反対側の足の筋肉が衰え結果的に筋力低下した側の足が外反母趾になる。
- 膝が内股の足先外向きの足の形になっている。
こういった足の使い方、もしくは足の形の癖が外反母趾には大きく影響してしまいます。
単純にハイヒールを履いていたから、合わない靴を履いたから、ではありません。
いろいろと挙げましたが、結局外反母趾は二つの大きな原因に絞られます。
- 足指が使えていないことによる足裏、指の筋力低下
- 体の捻れ、歪みによって負担がかかる場所が集中する
この2つが原因として挙げられます。一つずつ解説をしていきます。
足指が使えていないことによる足裏、指の筋力低下
浮き指、浮き足と言われる足は非常に外反母趾になりやすいです。
浮き指とは真っ直ぐ立った時に、体重がかかる部分が足裏に集中し、足の指が浮いてる、もしくは地面に着いているけれど体重がかかっていないような足の形を言います。
上から見ると赤い丸の部分がくぼんでいるのがわかりますか?
この様な状態を浮指といいます。
この様な足になると歩く時必然的に足の腹の部分で地面を蹴る形になります。
本来は足指を動かして地面を蹴るはずの筋力が衰えることで親指が支えられなくなってしまい痛みを生じてしまいます。
扁平足で外反母趾になることも同様の理由です。
扁平足は足指の筋力低下によって土踏まずにあるはずのアーチというくぼみがなく、地面に足裏全体がついてしまうことをいいます。
土踏まずは本来3つの部分から構成されます。
扁平足になる原因にも浮き指があり、両方を合併していることが多いです。
基本的に子供の頃からの歩き方や足の使い方によるものですが、だいたいは大人になると筋力がついてくるので自然とアーチが元通りに出来始めるはずです。
が、悪い癖のまま習慣付いて成長してしまうと扁平足、浮き指、外反母趾、の3症状のいずれか、もしくは全部がでてきやすいです。
特に痛みがなく若い時は困っていなくても、年齢を重ねた時に一気に悪化して外反母趾の痛み、足裏の痛み、踵の痛み、果ては膝や股関節の変形症に繋がるリスクを高めてしまいます。
自分の足を見た時に、足先が浮いていてタコが指の付け根にできていると浮足の可能性があります。一度自分の足を見て下さい。
体の捻れ、歪みによって負担がかかる場所が集中する
もう1つは捻じれからくるものです。
立つとき、歩くときの重心が親指の腹の部分に集中しやすいと足が地面に着いた時の衝撃や蹴った時の衝撃が親指の腹に当たり、その力が小指側の方向に逃げるようになるため親指の腹部分にある関節に捻れが生じて外反母趾になります。
簡単に言うと外側に重心がかかり過ぎになってしまいます。
外反母趾の方の共通点として、外側に重心がかかり過ぎてしまう傾向にあります。
その足の使い方をしやすいのがX脚やO脚のように、骨盤や股関節、膝、足首に捻れや歪みのある人です。
逆に言うと、外反母趾の人はそのような足の形になりやすい、ということも言えます。
そのため外反母趾を改善するためにはその捻れをとる必要がありますし、捻れないように足を使う癖から改善する必要があるのです。
外反母趾で痛みが出てしまうと親指を地面につけないよう痛みをかばってあるいてしまいます。
それが小指側重心になる癖をつけてしまったり、それからさらに足の使い方が変わってしまうことにもつながります。
親指の腹部分で歩く癖が強い場合、変形自体はきつくなくてもすごく変形しているように見えることがあります。
それが仮骨性外反母趾(かこつせいがいはんぼし)と呼ばれるものです。
仮骨性、というのは本来は骨がないはずの部分に、衝撃が続けてかかり続けることで骨を守るために防御反応として過剰に骨を作ろうとする成分が出て仮の骨を作って衝撃を受ける部分を守ろうとしてできる骨をいいます。
それが親指の付け根の部分にできると親指自体の小指側への変形はしていなくても、付け根の膨らみが大きくなることでより出っ張ってみえます。
これが結果的に外反母趾に見えるので仮骨性外反母趾、と言われます。
この方は変形もしていますが、骨が大きく飛び出しているのがわかりますか?
これが仮骨性外反母趾(かこつせいがいはんぼし)です。
骨が一度できてしまうと自然に戻る事はほとんどありません。
これは良く歩く人、スポーツをしていた、している人、歩く時にドシドシ音がなる人、に見られやすいです。
足の形も足の横幅が広がってしまう開張足(かいちょうそく)の人に多くみられます。
開帳足とは、土踏まずがつぶれてしまっている状態のことを言います。
とても複雑思えますが、外反母趾の原因とねじれはシンプルなので、いかに見極めていくかが大切になってきます。
外反母趾がどういったものか、原因はなんなのかがわかったところで、一般的な治療方法や対処法についてお話しします。
外反母趾になった時一般的な治療方法と対処方法
- サポーターをする。
- インソールをつくる。
- 矯正装具をつける。
- 手術を行なう。
おそらくこういった形で治療方法を提案されるでしょう。
サポーター、インソール、矯正装具に関しては、それをつけた状態で履ける靴や、合わせた靴でしか出かけることができないことになります。
そして結局それを外すと元に戻ってしまう可能性があるのです。
きちんとしたものをつくるのであれば、使い続けることを思うとそれこそコストがかさむことに。
手術はできるだけ避けたい、という方もいらっしゃるかと思います。
対処法として、靴を痛くない靴に変えたり、歩き方を変えてみたりテーピングを巻いたりなどが挙げられます。
確かに間違いではありません。
ですがそれらは一時しのぎにしかならず、また痛みを繰り返すことになります。
治す事と、対処を間違わないようにして下さい。
そのため、自分でもできる外反母趾を改善するための方法についてお話しします。
外反母趾を改善するための3つの方法
根本的に解決できる方法と対策として考えて頂きたいものに分かれます。
基本的には全て効果がありますので、是非行って下さい。
足指のマッサージ
これは足指の筋肉をうまく使えていない場合、萎縮して縮こまってしまうため、意図的に動かす必要があるの です。
足の真ん中にある中足骨という骨の間にある筋肉なので比較的簡単に見つけることができます。
他にも、足裏のマッサージ、足の親指の出っ張りよりも下の側面のマッサージを合わせて行います。
具体的な方法は動画でご紹介をします。合わせてご覧下さい。
足裏のマッサージはゴルフボールを使ったりすると簡単にできます。
運動
筋力低下によるものなのであればやはり筋力をつける必要はあります。
無理矢理するのではなく、しっかりと行う事が重要です。痛みがある場合は即中止して下さい。
1)足ジャンケン
足指をグー、チョキ、パー、にするように動かします。
グー、チョキ、パーを10回繰り返すのを2セット行います。
人によってはジャンケンができない方もいらっしゃいます。
できる範囲でいいので行って下さい。
2)親指チューブ運動
両方の親指にゴムチューブ(髪のゴムでもいいです)を引っ掛けて、地面にかかとはつけたままで扇状に開いたり閉じたりを繰り返します。
1日で10〜20回を2セット行います。
この運動は無理にしないようにして下さい。
この運動で外反母趾を治すという事を言われていますが、この方法は筋肉を付けることが目的です。そして最終的には歩き方を改善させるためにするので間違ってもこの運動で治すというのは考えないようにして下さい。
3)タオル引き寄せ運動
椅子に座り、足元の床にバスタオル、もしくはフェイスタオルを敷きます。
敷いたタオルの上に足を置き、足の指の力だけでそのタオルを引き寄せていきます。
これを5回繰り返しましょう。
これ自体はいいですが、運動として行って初期のみです。変形をしている場合は絶対にしないで下さい。
余計に痛みや変形が進みます。
痛みがない場合などには効果があるので是非行って下さい。
歩き方も体得して頂きたいです。
外反母趾の話ではないですが、歩き方の基本は全く同じなので、参考になさって下さい。
外反母趾を治す為におすすのストレッチ
1)ふくらはぎを柔らかくして足首を柔らかくするストレッチ
床に踵はつけた状態で、できるだけつま先を上にして壁につけ膝を伸ばした状態で体を前に倒していきます。
15〜20秒ほど伸ばしていきます。
左右2回ずつ行います。
足首を柔らかくして足首の柔軟性を付けていきます。このストレッチは必ずして下さい。
1)脛の前を柔らかくして足首を柔らかくするストレッチ
床につま先をつけた状態で、できるだけつま先に重心を載せていきます。
15〜20秒ほど伸ばしていきます。
左右2回ずつ行います。
足首を前と後ろを同時に柔らかくして足首の柔軟性を付けていきます。このストレッチは必ずして下さい。
こちらも動画でご紹介していますので、是非参考になさって下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
外反母趾は一般的にインソールをつけたり靴を変えたいなど色々な情報があります。
しかし、実際はそれらを行うことは治療方法ではなく対処方法になってしまいます。
また、一般的に外反母趾になるとタオルを引いて足の筋力をつけると言うのがよくありますが、その運動して良いのは外反母趾の初期のみです。
中期若しくは後期には、変形が進んでいる段階で行うと痛みが増えたり変形が進んだりしてしまいます。
正直なかなかそこまでは教えてもらったりは難しいと思います。
今回の説明を実際に私が患者さんに説明をしている内容をそのままお話をさせて頂きました。
是非参考にして、外反母趾の痛み、変形などの悩みから解消して下さいね。
ひこばえ整骨院の外反母趾の施術
ひこばえ整骨院では外反母趾に対する専門的な治療をおこなっています。
外反母趾になった時選択肢として手術だけではありません。
手による施術で痛みを改善したりさせることは可能です。
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執筆者
ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也
柔道整復師(国家資格保持者)
業界歴16年。
18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。
現在ストレッチの本を執筆中。年内に発売予定。