• 階段の昇降で膝の内側が痛む
  • 長時間歩くと膝に痛みを感じる
  • 朝起きたとき、座っていた後の1歩目に痛みを強く感じてしまう。

こんな風に悩まれてはいないでしょうか?

私の整骨院にも多くの膝の内側が痛いという悩みを抱えて来院されることがとても多いです。

そんな痛みですが、放置しておくと後々取り返しが付かない事も沢山あります。

今回は膝の内側が痛む原因と対策についてお話をしていきます。

今内側に痛みを強く感じる方も、少しだけ違和感がある方にも是非最後までご覧になって頂きたい記事です。

きっとお役に立てますよ。

 

膝の内側が痛いときに考えられる疾患

痛みの原因等を詳しく説明をしていきます。

変形性膝関節症

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膝の内側に痛みがでる代表的な病気です。

40歳以上の中高年の女性に多く見られ、年齢とともに発症率は上がります。

膝関節には半月板という軟骨があり、骨同士の摩擦や地面からの衝撃を軽減させるはたらきがあります。

ですが負担がかかり続けると、それに耐えられなくなった軟骨が押しつぶされてしまい、膝の骨がだんだん変形していってしまったものが変形性膝関節症です。

原因はさまざまですが、主に立ち方、歩き方、体重増加、が原因となります。

年齢とともに発症率は上がりますが、歳をとると全員が変形性膝関節症になるわけではないため、年齢は直接的な原因というより発症に至るまでの中の一要素として考えられます。

歳をとると体の水分量が減っていきます。

そのため関節の中を満たして関節の動きを滑らかにしている関節内液も減ってしまうため、若い年齢の時と比べて関節の隙間が狭くなっていたりなくなっていたりするのは当然見られますが、そこに痛みがあるかどうかが問題です。

 

鵞足炎

膝の関節部、というよりは若干下の方に痛みがでます。

これは脛の骨にある鵞足部分に炎症が起こっている状態です。

鵞足とは骨盤から伸びる3つの筋肉が着く場所で、脛骨(すねの骨)の内側上部にあります。

その筋肉が着く部分の見た目が、ガチョウの足のようにみえることから鵞足と言われています。

鵞足炎は使い過ぎが原因と言われますが、これも足の使い方が悪いことが大きく影響します。

膝が内側に捻れてしまうX脚、体重を乗せると内側に倒れてしまう足首の形をしているの人、偏平足の人などの人は鵞足炎になりやすいですが、X脚や偏平足でも鵞足炎にならない人もいます。

これは足の形が悪いから鵞足炎になるというわけではなく、足の使い方が悪くて足の形が崩れてきたとも言えます。

スポーツをやっている人で鵞足炎になるのも、フォームや体の使い方が悪く痛みがでてしまった、というケースが多いです。

普通に運動は特にしていなくて日常生活動作の中で鵞足炎になる人は、歩き方・立ち方が悪く、痛みが出てしまったと考えられます。

 

 

内側半月板損傷、内側側副靭帯損傷

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膝の関節にある半月板という軟骨があり、その軟骨には膝の関節同士のぶつかりを軽減させるクッションのはたらきがあります。

膝を捻ってしまったり、直接ぶつけてしまったりした場合には、半月板損傷や内側の膝関節を固定する靭帯を痛めてしまっている可能性もあります。

これの場合原因はスポーツ活動中など運動で走ってる途中で急に方向を変えようとしたときや、ジャンプの踏み込みのときなど膝を急に捻った場合などに起こることが多いです。

他にも日常生活の中でも膝に体重をかけたまま体を捻ってしまったりなどで起こる可能性もあります。

スポーツでの損傷は前十字靭帯と内側半月板損傷と内側側副靭帯損傷のいずれかを併発しやすいです。

日常生活での怪我として発症する場合は40歳以上には多く見られます。

これは関節の動きをスムーズに保ったり関節の隙間を埋めて衝撃の緩衝材としての水分が、年齢とともに減少していってしまうことで、関節にある程度の変性(関節の形、関節同士の間隔、隙間が変わること)が起こってしまうため、ちょっとした衝撃でも損傷が起こりやすくなってしまうのです。

 

膝の外側が痛いときに考えられる疾患

腸脛靭帯炎

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通称ランナー膝、とも言われます。

骨盤から太もも、膝にかけて大きくつく腸脛靭帯に負担がかかり続けることで、腸脛靭帯と太ももの外側の骨の部分に摩擦で炎症が起こった状態です。

腸脛靭帯は股関節と膝を曲げる動作で使われる筋肉で、ランナー膝というだけあってランナーに多く、他にも走る、ジャンプの動作が多いスポーツ、自転車競技などでも起こりやすいです。

特に外側重心になっている人に多く、フォームの問題で痛みの出る人でない人がいますが、運動をしていなくても日常生活動作のなかで痛みが出る場合もあります。

これは立ち方、歩き方など体の使い方が腸脛靭帯炎の原因となるため痛みの出方に個人差がある、ということです。

 

外側側副靭帯損傷、外側半月板損傷

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内側の半月板と靭帯の発症と同様スポーツなど運動中の発症が多い。

40歳以上になると、日常生活の動作であっても損傷するリスクはあります。

主に怪我がほとんどで、日常の負担がかかってしまい・・・というのでありません。

 

変形性膝関節症が一番気を付ける必要ある

膝の疾患で最も気を付けなければならないのが変形性膝関節症です。

なぜなら、変形性膝関節症は放っておけば放っておくほど変形がどんどん進行してしまうからです。

もちろんそれに伴って痛み自体も増えて、痛みの頻度や程度がだんだんとひどくなりやすいからです。

変形性膝関節症では、薬や湿布で痛みを我慢したり、水を抜いたりヒアルロン酸注射を打ったりなど対処法してはさまざまです。

ですが変形性膝関節症の原因はそこではありません。

変形性膝関節症では変形に至った過程が大きく重要で、そこから治療し改善しなければどんどん変形が進行してしまいます。

 

 

一度変形をしてしまうと二度と戻らない?

変形性膝関節症は変形した関節の状態は二度と元通りにはなりません。

膝だけの話ではありませんが、変形性の関節症は基本的にもとの関節、骨の状態には戻りません。

隙間が少なくなっている、軟骨がすり減っている、関節で骨が変形してしまっている、これらの状態を変形前の状態に戻すことはできません。

ですが、変形性の症状でも人によって痛みの出方が違います。

痛みをあまり感じない、違和感程度の人や、2時間ほど歩いたら痛くなってくる人、逆に立っているだけでも激痛の人。

さまざまですが、これらはすべて変形していることが原因で痛みが出ているわけではないから痛みの出る出ないに差が生じるのです。

変形の進行度合いと痛みの程度は完全に比例するわけではありませんが、変形が進めば進むほど、痛みの改善度合いは低くなるのは事実です。

色々なサプリメントで膝の軟骨を再生とありますが、基本的に医学的な根拠はありません。

サメの軟骨を食べてもまた軟骨が出来れば変形性の疾患はこの世からなくなりますからね。

 

変形性膝関節症になってしまった時にはどうすればいいの?

 

変形性膝関節症が進行しない、悪化しないようにすることが重要です。

そして変形性膝関節症になった場合、

  1. 痛みを改善すること
  2. 今以上に痛みが増えない様子にすること(変形が今で以上に進まないよにする事)

この2つを目的に治療する必要があります。

変形性膝関節症の原因は主に体の使い方です。

年齢が原因で必ず発症するものではありません。

一度変形した以上、前のように元通りに動ける状態まで治す、ということは正直難しいのが現実です。

今の痛みが出ている状態で何もしないのであれば、ほぼ確実に痛みは増えていきます。

ですが痛みが出ている今の体の動かし方を変えて、体の使い方や癖を変えていくことができれば痛みは改善します。

そして今以上に痛みが増えてしまうことを避けることができるのです。

変形も進行を防ぐことができます。

 

 

変形性膝関節症に効果のある対策

  • ストレッチをして膝の負担を減らす
  • マッサージをして筋肉を緩める
  • 体重を減らして負担を減らす

以上3つを行って行きます。

 

ふくらはぎを伸ばす効果的なストレッチ

方法は2つあります。

1つ目の方法

壁に向かって下の写真のようにかかとを床に、壁につま先をつけるようにしてください。

ひざは伸ばしたまま、体全体を壁に近づけていくと、ふくらはぎが伸びたりアキレス腱から上にある筋肉が伸ばされていきます。

持続的に15秒間以上ストレッチをしてふくらはぎの柔軟性を付けていきます。

 

2つ目の方法

下の写真のように片方の膝を立て、もう片方の足を正座するような状態にしてください。

 

両手は膝の上でも構いませんし、床につけるような形でも構いません。

その状態から膝を立てている方にゆっくりと体重を前にかけていけばふくらはぎからアキレス腱がストレッチされていきます。

15秒間以上持続的にストレッチをしてください。

時と場合によってストレッチの方法がやりやすい時とやりにくい時がありますが、効果としてはほとんど変わらないのでその時のご自身の状況に合わせながらストレッチを行なってください。

足首の柔軟性がないと正しく歩くことができないので足の裏に強い負担がかかってしまいます。

その負担を少しでも解消するためにふくらはぎの柔軟性は絶対に必要です。

 

 

股関節の前を伸ばすストレッチ

椅子、ベッドなど台の上に足を乗せて下さい。

足を上に乗せた方に重心をのせていきます。

反対の足が前に伸びていくように伸ばされます。

反動を付けながら足の前をストレッチしていきます。

左右15回ずつ行います。

お風呂上りや寝る前に行う場合は15秒間持続的にストレッチを行なって下さい。

 

股関節のストレッチ

あぐらをかくのもストレッチになります。

変形性の膝関節症で股関節が内側に捻れていきやすいです。

そのため、股関節の向きを外側へ開くために日常生活の中でもあぐらをかくことが効果的です。

胡坐をすると膝が痛む場合は無理にしないでください。

ずっと胡坐でいるとしんどくなってしまうので、胡坐をかくときは背筋を伸ばした状態にできるだけ15~30秒維持する、ということを1セットとして繰り返し行なうようにしましょう。

動画でもご紹介しているのでご覧ください。

 

マッサージ

股関節のストレッチの時にもお話したように、変形性膝関節症の場合に股関節が内側に捻れてしまいます。

そうすると、太ももの骨や脂肪、筋肉の流れまでもが全て内側に捻れるようになってしまいます。

これを自分でも外へ向くように矯正していく必要があります。

先ほどの胡坐をかくようにするのと同じように、外側へ流れを変えていくようにします。

膝上~太もものつけ根までの間を、下から上に向かって外側へ皮膚を動かすようにしていきます。

この方法は動画でお送りします。

合わせて参考になさって下さい。

 

 

減量

変形性膝関節症の原因の多くに、体重増加があります。

年齢とともに膝の関節の水分が減り、筋力も低下していくのは現実的に確実です。

さらに運動量が減ってしまうと体重が増えやすくなってしまい、体重が増加することで膝にかかる負担量は格段に増えていきます。

そうすると変形性膝関節症になりやすいですし、進行も早くなってしまいます。

1~2年前と比べて体重が2~3㎏増加している、という場合、体重を落とすことも変形性膝関節症の痛みを改善するための方法の一つである、ということは覚えておきましょう。

年齢を重ねると体も老化で衰えます。(考えたくはないですが)

それに筋力も落ちます。

それを考えてもそこで体重が増えると負担にしかなりません。

必ず体重のコントロールはしましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は階段の昇降で膝の内側が痛いときの症状や対策についてお話していきました。

特に変形性膝関節症に関してはその一時的に痛みが出るだけの話ではありません。

我慢して放っておくことで治りも悪く、改善するまでにかかる期間が長くなるだけです。

変形性膝関節症では変形しているから痛いのではなく、痛みの出る使い方をしているから痛くなるのです。

そのために変形をなくそう、と思うのではなく、今の状態でどう体の使い方を変えたら痛みが軽減するか、を自分の中で変えていくことが必要です。

まずは変形が進行しないこと、そして痛みを取ることを目標としていきましょう。

きっと良くなるので大丈夫です。

 

ひこばえ整骨院変形性膝関節症に対する治療

ひこばえ整骨院では変形性膝関節症の治療を非常に得意としています。

悪い部分だけを見るのではなくそれ以外の歩き方や立方体の使い方を全て見て一番最適な治療方法を選んで行きます。

もしあなたが変形性膝関節症による痛みで悩まれているならば是非下記をご覧ください。

 

執筆者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)

柔道整復師(国家資格保持者)

業界歴16年。

18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。

現在ストレッチの本を執筆中。年内に発売予定。

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