昔からある首こりや肩こり。
痛みを感じることもあったけれど最近痛みが強くなってしまっている…。
整形外科でレントゲンを撮ってみると「頚椎症」という診断をされてからシップと痛み止めをもらって飲んでいるけれど改善する兆しがない。
症状もどんどん強くなってしまっている。
そんな風に悩まれてはいないでしょうか?
頚椎症は様子をみるしかないと言われて半ばあきらめていないでしょうか?
実はそんなことはないですよ。
きっちりと治療をすれば自覚症状は確実に軽減をさせることができます。
- 何か自分でできることはないの?
- 湿布や痛み止め以外の方法はないの?
- ストレッチはどうしたらいいの?
そんな方の疑問にお答えしている記事です。
頚椎症とはどのような状態なのか?
首は7つの頸椎(けいつい)と呼ばれる骨からなっています。
頸椎の間には椎間板(ついかんばん)という負担を和らげたり、衝撃を吸収する軟部組織(なんぶそしき)が存在します。
この椎間板は、ほぼ水分でできているため、加齢とともに体の水分量が失われていくことで椎間板自体も水分を失っていきます。
よく年齢がいくと身長が縮むと言いますが、水分が少なくなるからですね。
そうなると本来のクッションの役割を果たせなくなり、椎間板部分の隙間が狭くなっていきます。
その影響で頸椎の骨や靭帯の変性(形が変わること)が起こることで痛みやしびれが引き起こされてしまっているのが頚椎症です。
椎間板の隙間が狭くなっていくことは、加齢とともによく見られる症状なので取り立てての問題はありません。
ですがこの椎間板の変性が続くことで頸椎に骨棘(こつきょく)という棘のようなものができたり、頸椎を支える靭帯が肥厚(ひこう)といって分厚くなってしまったりします。
頸椎の中にある脊髄の通り道である脊柱管(せきちゅうかん)や脊髄神経の通り道である椎間孔(ついかんこう)にそういったものができてしまうと、神経に異常が起こり痛みやしびれが出てきてしまうのです。
頚椎症には二種類あり、頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)、頚椎症性神経根症(けいつしょうせいせきついこんしょう)に分かれます。
これは障害が起こる場所の違いによるもので、症状の出方が両側に痛みやしびれがでるのか、片側だけなのか、が変わります。
少し難しくなっていくので次に原因についてお話をします。
頚椎症の原因
結論から言うと、
頚椎症の原因は姿勢の悪さと首にかかる過度の負担です。
いわゆる猫背の人、頭の位置が重心よりも前に傾いている人、顎を前に突き出してしまっている人、背中が伸びない人などいますが、共通して言えるのは首の前弯(ぜんわん)が少ない人。
よくストレートネックといいますよね。
そのような状態になると頚椎症になりやすい傾向にあります。
前弯というのは、本来の頸椎が並んで重なっている形で、通常頸椎の7つの骨は弓なりに軽く前側に反るような形で並んで重なっています。
首の骨は前に、背中は後ろ、そして腰の骨も前に出るのは通常の骨格です。
この前弯があることによって、首の骨の上にある頭蓋骨が背骨の真上に乗っかることができ、背骨全体で頭の重みを支えることができるのです。
先に挙げた姿勢の癖があると、この頸椎の前弯はなくなり、むしろ真っ直ぐの骨の並びになってしまいます。
下の写真の様な状態になってしまいます、
そうなると頭の重みは前へ傾き、背骨の上にも乗らないので本来背骨全体で分散されるはずの負担は分散されなくなり、首や肩の筋肉に負担が強くかかることになります。
この姿勢が長年続くことで椎間板のクッション性がなくなり、カーブがない分頸椎に直接負担がかかることになります。
椎間板の水分がなくなること自体は加齢によるものなので誰にでもみられるものではあります。
ただし、全員が年をとって椎間板が変性したからといって頚椎症になるわけではありません。
年齢を重ねても頚椎症の痛みやしびれなどの症状に悩まされていない人は多くいらっしゃいます。
痛みやしびれがでるような頚椎症で悩まされている人と、そうでない人の違いは、つまるところ姿勢なのです。
そして、姿勢やストレッチ、体の使い方を変えることで頚椎症による痛みは改善させることができます。
この記事では頚椎症に効果的なストレッチを7つご紹介します。
頚椎症に効果のある7つのストレッチ方法
今から頚椎症の改善するためのストレッチの方法を7つご紹介します。
1日5分程度もあればできる方法ですので、ぜひ試してみてください。
手のひらを上に向けて猫背を解消する方法
ストレッチの中で1番大切になっていくのが手のひらを上に向けると言う動作です。
下の写真のように手のひらを目一杯外側に捻るようにしてください。
小指側が天井に向くくらいまで捻ることがポイントです。
肩甲骨を開きながら外側に握る状態を10回から15回繰り返すようにしてください。
この動作を行うことで胸が大きく開くことがわかると思います。
隙間の時間に行うこともできるので積極的にどんどん回数を行ってください。
姿勢を改善するためにはとても有効な手段です。
にわとり首ストレッチ
椅子に座り、姿勢を伸ばして、両手は太ももの上にのせて下さい。
姿勢を伸ばした状態で、にわとりの様に首を前後に動かして下さい。
あくまでも首だけで、それ以外は動かさないようにしましょう。(背中や肩が動かないように)
首を最大限に前へ伸ばし、反対に最大限に後ろへ引くようにして下さい。
この動作を合計10回繰り返してください。
ストレッチをすることによって首周辺の筋肉の緊張が取れていきます。
とても効果のあるストレッチです。
手のひらを後ろで組んで肩甲骨を伸ばすストレッチ
写真のように後ろで手のひらを組んでください。
腕を上に持ち上げていくので同時に胸を大きく張るようにしていきましょう。
そしての時、手首を返して手のひらが真後ろに向けるように手首をひねっていきましょう。
手のひらを真後ろに返すことによって肩甲骨はもちろん腕の前側も一緒にストレッチすることができます。
これらのストレッチをすることによって肩甲骨周りと肩周辺の筋肉が柔らかくなるので、肩が後ろに引きやすくなり、首が前に傾いている人に効果あります。
腰をひねるストレッチをして骨盤を正しい位置に戻す
仰向けになり寝て下さい
手のひらは大の字にしてひねる方の膝を曲げ、足の裏が反対の膝のお皿の上に置くように曲げていきます。
足の裏の膝からこのれないようにしながら腰をひねってください。
この際に足を倒した方と反対側に顔持っていくと肩甲骨まで全てストレッチできます。
背骨全体をストレッチすることによって体の動きがよくなります。
手のひらを上に向けながら胸を開くストレッチ
上記で行った上に向けるストレッチをしながら胸の前を伸ばしていくストレッチをしていきます。
下の写真の様に手を壁につけます。
ここでのポイントとして
小指側が出来るだけ上に向く様にする事
小指側を上に向ける事で胸の前、腕の付け根も全てストレッチされます。
行なって頂くとよく伸びるがわかると思います。
体とできるだけ平行にして頂き、腕から胸の前をストレッチしていきます。
斜め腕伸ばし 筋膜リリース
右腕を斜め後方に伸ばす。指先はまっすぐ伸ばします。
姿勢を真っ直ぐにしてできるだけ猫背にならないようにして下さい。
あごを引き、首を左側にゆっくり倒します。この時右肩が上がってついてこないように左手で押さえます。
首を真横に倒します。
その状態から左耳を前に出すように首を回します。この状態でキープ(20秒~30秒)
首の横側あたりがストレッチされていきます。
その状態から今度は首を反対に回し、鼻を左肩に近づけていく様に捻っていきます。
この状態でキープして下さい。(20秒~30秒)
首の後ろ側から方にかけてストレッチされていきます。
反対の肩も同じように行って下さい。
ストレッチをする際に痛みがないか、しびれがないかを確認しながら首を伸ばすようにして下さい。
腕を開いて平泳ぎストレッチ
両腕を前に伸ばします。
背中を丸めず肩甲骨だけを押し出すイメージ、この姿勢をキープして下さい。(20秒~30秒)
※この時、図のように背中が丸まらないように注意
肘を高さをキープしたまま、両腕を開くように後ろに引く様にして下さい。
イメージとしては平泳ぎのようにしてぐるっと腕を回すようにして下さい。(20秒~30秒)
肩甲骨を引っ張るようにしながら胸を開いていきます。
肩甲骨をおこすイメージで両腕を上にあげます。
このストレッチをすることで肩甲骨から腕は伸ばされていきます。
この状態でキープして下さい。(20秒~30秒)
これを一連の流れとして行っていきます。
平泳ぎをしているイメージで大きく動かすことで肩甲骨から腕、背中のストレッチをすることができます。
全てのストレッチをしても5分程度で終わります。
是非できるところから毎日行って下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は頚椎症に効果のあるストレッチについてお話していきました。
慢性的な肩こりや首こりの原因でもある姿勢を改善せずに放置してしまっていると、歳を重ねていった結果頚椎症になって痛みやしびれに悩まされる、ということも少なくありません。
頚椎症によるしびれは、原因が変形性のものであるため改善することは正直難しいです。
ですが、だからといって痛みやしびれを放置しているとますます悪化してしまうことになります。
症状の悪化を止めたり、痛みを和らげたりすることは可能なものですので、治療を諦めないでください。
まずはできることとしてストレッチを実践してみましょう。
姿勢の改善には関節や筋肉の矯正が必要な場合もあります。
ひこばえ整骨院の頸椎症の治療
ひこばえ整骨院では頚椎症の治療を得意としています。
首の悪い部分だけではなく、体全体から見ていき痛みやしびれが出ない状態を作っていきます。
もし頚椎症の痛みでお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
執筆者
ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)
柔道整復師(国家資格保持者)
業界歴16年。
18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。
2019年に本を出版