胸郭出口症候群と言うのをあなたは聞かれた事はあるでしょうか?
首の前側に筋肉で囲まれた隙間があるのですがそこから神経がでてできます。
その神経が筋肉に圧迫をされない姿勢が悪いことによって刺激されてもしくは腕にかけて痛みしびれが出るのが胸郭出口症候群です。
今回は7つのストレッチをお伝えして自分自身で改善する方法をお伝えします。
実際に私が患者さんに指導している内容ですのでぜひ参考になさって下さい。
一番初めに胸郭出口症候群について少しご説明を致します。
胸郭出口症候群とはどのような状態を言うのか
胸郭出口症候群と言うのは3つの状態の総称のことをいいます。
- 斜角筋症候群(しゃかくきんしょうこうぐん)
- 小胸筋症候群(しょうきょうきんしょうこうぐん)
- 肋鎖症候群(ろくさしょうこうぐん)
以上の3つに分かれます。
これらの基準と言うのは圧迫されている部分によって変わってきます。
斜角筋症候群
首には斜角筋と言う筋肉があります。
その筋肉が何らかの原因で圧迫された時に痛みが出てしまうのがこの状態です。
上の写真の様に筋肉の隙間で圧迫を受けて、そこからした全てにしびれや痛みが出てしまう状態になってしまいます。
首の前で言うと下の写真の様な場所に神経が通っています。
試しに軽くその部分を押すと手にしびれ、首周辺がびりっと来るのがわかると思います。
小胸筋症候群
小胸筋と言うのは胸の膨らみの大胸筋の下にある筋肉です。
下の写真のような部分にあります。その筋肉が何らかの原因によって圧迫されるのがこの状態です。
小胸筋は脇の部分から触ることができますが、この筋肉の下に神経が走っています。
筋肉が圧迫されることによって痺れが出てしまうのはこのような理由からです。
猫背でも筋肉が硬くなり圧迫を受けますし、腕をよく使う方でも同じように圧迫を受けます。
この筋肉の圧迫によるしびれや痛みは比較的改善しやすい傾向にあります。
肋鎖症候群
これは生まれつき肋骨と鎖骨の間が狭いと言う形に起こりやすいものです。
顔の形が人それぞれ違うように、骨の形も人それぞれ全く違います。
狭い場合に圧迫で起こってしまった場合は手術をする場合があります。
どこで圧迫を受けているかが非常に重要なポイントになります。
上の写真の様に肋骨と鎖骨の隙間で神経や血管が通るところで圧迫を受けてしまうのは特徴となります。
以上が胸郭出口症候群の3つの種類になります。
それぞれ対応するポイントによってストレッチ方法が多少異なりますがストレッチの中点を守って頂ければ基本的には同じ方法で構いません。
7つの方法をお伝えしますのでぜひ参考になさってください。
胸郭出口症候群にお勧めの7つのストレッチ
ストレッチをする前に3つ注意点があります。
- 痛みや痺れが出ている状態で強いストレッチはしない
- 湯船には必ず入って体が暖まった状態でストレッチをする
- 朝起きてすぐには無理をしないでゆっくりとストレッチをする
以上3つのポイントを守っていただきストレッチを行ってください。
この中でも特に注意をしていただきたいのが、湯船には必ず入るようにしてください。
よく仕事が遅いから忙しいからと言う理由でシャワーにしている方が多く見られます。
シャワーで済ましたい気持ちはわかりますが体にとって絶対に良い事はありません。
いろいろなストレッチの方法がありますが湯船に入って体の血液循環を良くするというのは絶対的な条件となります。
めんどくさいことではあるかもしれませんができるだけお湯船には入り湯船につかるようにしてください。
それではストレッチをご紹介します。
肩甲骨を開いて胸の前の圧迫を解消するストレッチ
立った状態でも座った状態でもどちらでも構いませんので、手を後ろで組むようにしてください。
できるだけ胸を張った状態で肩甲骨をくっつけるように胸を開くようにしましょう。
胸の前がストレッチされていたり肩甲骨が気持ちが良い状態であればそのまま15秒間程度持続的にストレッチをしましょう。
1日の回数制限はありませんので出来る限り回数を重ねるようにしていきましょう。
万歳をして姿勢を矯正するストレッチ
立った状態で足を肩幅程度に広げて壁から少し離れるようにしてください。
両手をバンザイにした状態で腰をそらすように体を伸ばしていきます。
人によりますがお腹の前がそれてされている方や腕の裏側がストレッチされている方がいらっしゃいますので、どちらかが伸びていれば正しくストレッチができています。
1回のストレッチで15秒間程度持続的にストレッチをしましょう。
こちらのストレッチも1日の回数制限はありませんので出来る限りストレッチを行っていきましょう。
首の前を直接伸ばすストレッチ
下の写真のように両手を鎖骨の上あたりに手を置いてください
皮膚を引っ張るようにやや下向きに下げて首を斜め上の方向に向けるようにしてください。
両方とも行っていくのですが右側の首の前を伸ばすときには顔は左斜め後ろに伸ばし左側の首の骨を伸ばすときには右斜め後ろに首を倒すようにしてください。
効果は非常にあるのですが人によっては不快感を感じる方もいらっしゃいますので無理だけはなさらないようにしてください。
片側5秒間を目安に、左右均等に3回ずつストレッチをしてください。
胸の前を伸ばして小胸筋に直接働きかけるストレッチ
小胸筋直接伸ばすストレッチではありますが他の状態でも効果があるので行っていただいて構いません。
壁に向かって片側の手を斜め上に伸ばすようにします。
腕を斜め上に持ち上げるようにしながら壁に手をつき体を反対方向に伸ばしていきます。
右手を伸ばす時は右腕を斜め上で壁につけて体は左側に捻って行きます。
反対に左側を伸ばすときには左腕を斜め上で壁につけて体は右側に捻って行きます。
片側15秒間以上持続的に伸ばし必ず左右均等に行いましょう。
片側3セットずつ行うことで効果があります。
胸の後ろを伸ばすストレッチ
片側を頭の後ろに回して反対の手で後に回した手の肘を待ちます。
そのまま腕の後ろがそれで取れるように負けたほうの腕を引っ張るような形でストレッチしていきます。
腕の後ろがストレッチされることによって、腕の前側や胸の部分が伸ばされていくので間接的に効果あります。
胸郭出口症候群の場合は圧迫されている部分も直接ストレッチすることも大切ですが、いかに周りの筋肉を緩めるかが改善への近道となります。
片側15秒間以上持続的にストレッチをして左右必ず均等に行うようにしてください。
片側2セットずつ行うようにしてください。
手首を伸ばして肩の筋肉を緩めるストレッチ
悪い原因が首なのになぜ手首なの?
と思われてと思います。
手首の筋肉は直接首の筋肉とつながっているわけではありませんが、首の動きをするときに手首も一緒に動きます。
また手首を使う時には必ずと言っていいほど肩の筋肉や肩甲骨の筋肉も同時に使います。
ものを持とうとする肩の筋肉や肩甲骨が硬くなっているのが確認できると思います。
写真のように伸ばす方の手を表にして、反対の手を指から持つようにします。
このような状態にすることで肘の前側がストレッチされて行きます。
片側15秒間以上持続的に伸ばしていき左右3セットずつ行うようにしてください。
手を使わなくても下の写真のように床に手をついて両方とも伸ばすようにしていただいても構いません。
効果としてはどちらも同じですのでやりやすい方行ってください。
腕立てストレッチで胸の前を伸ばす
壁に向かって腕立てのようにして手を大きく開いてください。
足は肩幅程度開いて下さい。
その状態から体を前に大きく倒していきます。
顔は右でも左に向いてもどちらに向いていただいてもかまいません。
その状態にして15秒間程度持続的にストレッチしていきます。
伸びるところは両方共の胸の前側がストレッチされていきます。
1日3回を目安におこなって下さい。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は胸郭出口症候群に効果のあるストレッチを7つお伝えしました。
胸郭出口症候群は非常に痛いも強いですししびれ感も大きく感じてしまう疾患でもあります。
ものによっては手術が必要って言う場合もありますが、ほとんどの場合はきっちりと治療すれば改善する可能性は十分にあります。
放置をしていて知らない間に痛みやしびれが取れたと言う事はほとんどないので今回のストレッチを行ってください。
もしそれでも改善しない場合は専門的な医療機関を訪れるようにしてください。
ひこばえ整骨院の胸郭出口症候群に対する治療
ひこばえ整骨院では胸郭出口症候群に対する治療を行っています。
痛みや痺れがある部分だけを集中的に見るわけではなく、痛みの原因の元になった部分から尻を行っていきます。
姿勢や松かさそして首の柔軟性を改善してこそ症状が軽減していきます。
もしあなたが胸郭出口症候群の痛みや痺れで困っているならば下記のリンクをご覧下さい。
執筆者
ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)
柔道整復師(国家資格保持者)
業界歴16年。
18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。
2019年に本を出版