来院日
平成30年7月初旬
患者さん
M・Nさん 女性 17歳 学生 富田林市在住
悩み
昔から偏平足なのは気になっていたそうですが、バイトをはじめて長時間立つことが多くなり、立ちっぱなしでいることがかなりしんどいとのことでした。
去年の1月頃には整形外科に行き、レントゲンを撮ってもらったところ、足首が内側に倒れてしまっている状態だと言われたそうです。
インソールを作ってみたものの、特に劇的に改善することもなく、普段の靴で合わせたためバイト中にはそのインソールが使えなかったというのもあるようでした。
長時間立っていると足首ふくらはぎはもちろん、股関節や腰まで痛くなってしまうとのことでした。
左右差は特にないようで、歩いている方が楽になる、歩き続けても痛くならない、とのことでした。
バイトで忙しいときは動けるので痛みはあまり出ないで済むのですが、あまり動かない日などは立ちっぱなしの時間が長くなってしまうので、そういった日にも痛くならないくらいに治していきたい、ということでした。
今は1時間、早いときは20分くらい立ちっぱなしをしていると足や腰が痛くなる、とのことでした。
この悩みは小学校3年生くらいから自分の中でずっと悩んでいたそうで、お母さまもご一緒に来られていましたが、「そんな悩んでたん?」というくらいであまり相談もできていなかったそうです。
もう治らないのかと思いながらもずっと偏平足の治療について調べていた時に、この月になって改めて調べていたら、たまたま当院のホームページがみつかり、大阪の方からわざわざお越しくださったとのことでした。
検査の結果
検査をして立ち方などの確認を行なったところ、浮指で膝の位置が内側にずれた状態で固まっていました。
足首も確かに内側に倒れるようにバランスが崩れていました。
足首が内側に倒れた状態で、親指の腹に重心が乗るような形になってしまっており、指先まで体重を逃がすことができないような立ち方でした。
立つときの足の使い方が悪く、負担をうまく逃がすことができないので立ちっぱなしが続いてくると、足首やふくらはぎの筋肉が疲労し、かばいきれなくなるので股関節や腰にまで痛みが出てしまっている状態でした。
立ち方をしっかり変えていくことができれば、今のように1時間も立ちっぱなしが痛くてつらい、ということはなくなりますのでご安心ください、とお伝えしました。
初回の施術
下半身からお尻にかけての筋肉調整を行い、矯正していきやすくしました。
そこから足首、膝、股関節の矯正を行いました。
特に倒れてしまっている足首や、内側にずれて硬くなった膝の矯正を行ないました。
細かく足指を使えるように足の指も動かしていき、足の裏にある3つのアーチを作るように矯正していきました。
立ち方が悪いせいもありますが、ふくらはぎに疲労が溜まったままで硬くなっていたので、自宅でのストレッチとしてそのふくらはぎを伸ばすようなストレッチをしっかりやっていただくようにお伝えしました。
あとは指を使った立ち方の感覚を覚えてもらえるように
2回目以降の施術
重心の位置を思っているよりも少しだけ後ろへ乗せるように意識をする必要がありました。
足指を地面につけて重心を後ろに戻すとき、上半身を動かしてバランスをとってしまうので、お腹を凹ませるだけ、という感じで上半身を前後に動かさず骨盤の傾きだけで重心の位置を調整するように修正していきました。
足首のストレッチとして前側後ろ側の両方を伸ばせるものを追加でお伝えしていきました。
足裏の指を使う感覚がついてきたので膝の位置まで意識した立ち方、というのを今度は練習していくようにしました。
4~5回目では歩き方を確認するようにしていきました。
歩いているときは痛くないとのことなので確認程度でしたが、歩いているときに重心の位置が外側に振れやすくなっていたため、脛や太ももの外側に疲労が溜まりやすい状態でした。
歩くときはガニ股でもなく、内股でもなく、真っ直ぐ足先を前に出し、足を置く位置を少し内側に置くように意識して歩くと、内側と外側の筋肉が働き一方向に負担がかかり続ける、ということがなくなります。
この頃には痛みが出る程度が最初のころよりも減っており、立ちっぱなしで痛みが多少出るものの、翌日にまたすぐ疲れが出てしまう、ということはなかったとのことでした。
6~7回目の頃には立ちっぱなしがあっても以前のように立っているのがつらくなるほど痛い、ということはなくなっていたようです。
日によっても痛みが出ない日も出てきていました。
足の外側に負担をかけやすいので、同様に外側に張りが出やすいこともあり、外側のストレッチも増やしていきました。
ストレッチは順調に続けて行う習慣ができていたのでそこまでしんどいこともないとおっしゃっていました。
痛みのでる割合も軽減しているのもあり7回目以降は間隔を2週間ほど開けながらみさせていただきました。
この間にも旅行に行かれたり、ライブに行ったりと立ちっぱなしや歩く機会は多くありましたが、痛みはもうでなくなっており、足首のだるさが多少でる、というくらいでした。
指も地面にちゃんと着くようにはなっていましたが、疲れてくると親指側が少し浮きやすい傾向があったので、指のマッサージだけご自分でもできるようにお伝えしました。
最後は3週間ほど開けても特に痛みもなく、姿勢自体も崩れなくなっていたのでこれで治療も終了という形になりました。
またバイトの頻度や忙しさの程度によって、疲労の溜まり方も違うかと思いますので、だるさが3日間取れないな、と思ったら一度矯正にきていただくよう目安をお伝えしました。
なるべく立ち方とストレッチ、マッサージを行なってもらうことで回復できる状態を維持できるように気を付けておきましょう、ともお話しました。
まとめ
今回の方は10代ながらも痛みの悩みを抱えていらっしゃいました。
偏平足、ということが痛みの原因だと思っていらっしゃったようですが、偏平足でも長時間立っていて痛みの出ない方はいらっしゃいます。
あくまで使い方です。
この方の場合は足指の使い方、重心の位置、膝の捻れからの影響が強かったです。
インソールを利用していても、自分の立ち方の癖や重心の感覚を変えていかなければまた結局痛みを繰り返してしまいます。
インソールのような一時的な改善策ではなく、痛みが出ている根本的な原因である自分の体の使い方をしっかり変えていくことで、偏平足でも痛みが出ることはありません。
偏平足があっても痛みに悩み続ける必要はありません。
もし似たようなお悩みがある場合は、お気軽にひこばえ整骨院にご相談ください。
ひこばえ整骨院扁平足に対する治療
ひこばえ整骨院では扁平足の治療を非常に得意としています。
悪い部分だけを見るのではなくそれ以外の歩き方や立方体の使い方を全て見て一番最適な治療方法を選んで行きます。
もしあなたが扁平足による足の痛みに悩まれているならば是非下記をご覧ください。
執筆者
ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)
柔道整復師(国家資格保持者)
業界歴16年。
18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。
現在ストレッチの本を執筆中。年内に発売予定。